著者
光定 誠 石井 信一
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.56-61, 2014

<b>【要約】</b>高齢者施設の訪問診療医による適正な救急搬送を目的としたトリアージ基準を考案し,実施した。二次救急適応と医師が判断した場合には,搬送要請前に収容病院をできる限り選定した。12 施設,252 名を対象とした10 カ月間の救急搬送は46 例で,トリアージを行った 41 例は全例二次救急適応と判断した。うち39 例について収容病院を要請前に選定した。5 例は訪問医を介さず搬送され,うち2 例が三次搬送となった。本トリアージを包括的判断に基づき行うことで,本人や家族が望まない三次搬送や高度な処置をある程度回避できる可能性があると考えられた。地域の医療資源を熟知した訪問医が,患者全体像を把握したうえで収容先を搬送要請前に選定できれば,患者側および救急にも有益であると思われたが,困難なことも多かった。また急変時には訪問医を介さずに患者が搬送されうることも想定し,家族等との密なコミュニケーションをもとにスタッフに明瞭な指示を出しておくことが必要である。

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