著者
日暮 聡志 奈良 貴幸 松山 博昭 細谷 知広 門岡 幸男 加藤 健
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.75-80, 2012

近年,肝臓における脂肪蓄積は異所性脂肪として注目されており,MSに関連する病態の発症に深く関わることが知られている。一方,チーズがMSに対して保護的な作用を示すことが種々の研究により明らかになってきている。しかしながら,チーズが肝臓の脂質代謝に及ぼす影響についてはほとんど知られていない。そこで,市販のゴーダタイプのチーズを,高脂肪かつ高コレステロールの飼料を投与した脂肪肝のモデルであるラットに28日間経口摂取させ,肝臓での脂肪蓄積に及ぼす効果を調べた。その結果,チーズの摂取により血清コレステロール濃度が低下し,肝臓の重量やトリグリセリド量,コレステロール量が減少した。また,チーズの摂取により糞中の脂質排泄量が増加した。したがって,チーズを経口摂取することにより,高脂肪,高コレステロール摂取に起因する脂肪肝を予防することができる可能性が示唆された。

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