著者
後藤 真孝
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.239-245, 2012

日本人には,牛乳やアイスクリームなどの乳製品を飲食すると腹痛・下痢などの腸内障害を起こす「乳糖不耐症」の人が多い。これは乳製品に含まれる乳糖から引き起こされ,予防・改善法の一つに酵素補充療法となるラクターゼ(乳糖分解酵素,β-ガラクトシダーゼ)の服用がある。本稿では乳糖を分解する酵素をラクターゼと呼ぶことにする。この経口服用用の酵素には,主にカビ由来のラクターゼが使用されている。しかしながら,日本において,ラクターゼは医薬品として規定(昭和46年6月1日付け薬発476号厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品の範囲に関する基準」)されており,店頭販売されておらず一般健常人の入手は極めて難しい。日本人における乳糖不耐症の頻度は70~80%と言われながら,ラクターゼ製剤を入手できないことは乳製品の敬遠や低乳糖乳製品の飲食しかできない結果となり,美味しい食品をそのまま他の人と同じように味わえないことに繋がる。一方,米国ではダイエタリーサプリメントとしてラクターゼ製剤が店頭販売され,一般健常人が容易に入手できる。そこで本稿では,カビ由来ラクターゼに着目し,その利用について考察する。

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CiNii 論文 -  カビ由来 ラクターゼについて https://t.co/MLQWrjIPMC #CiNii 抄録だけ読めます,本文はアカウントがある人だけですかね…

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