- 著者
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岡崎 光子
柳沼 裕子
- 出版者
- The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
- 雑誌
- 栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.2, pp.61-69, 2001
- 被引用文献数
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3
食物の噛みごたえ量や食べ方, 保護者の食事づくりに対する態度などが, 幼児の咀嚼能力や歯の擦り減りとどのように関連しているかについて検討した。<br>1) 歯の擦り減りが観察された幼児は22.8%であり, むし歯や不正咬合が観察された幼児の割合より多かった。<br>2) 歯の擦り減りは4歳児より5歳児, そして1~2歳の頃にタオルしゃぶり癖のあった幼児に多かった。<br>3) 擦り減りは, 口腔機能の発達を考慮して離乳食を与えられたり, 現在, 手づくりの食事を心がけられている幼児に多かった。<br>4) 擦り減りは, 外食の多い幼児に少なかった。<br>5) 歯の擦り減りあり群の幼児の咬合力は, 擦り減りなし群に比較し, 大きかった。<br>6) 外食の少ない幼児, 市販食品の使用頻度の少ない幼児の咬合力は, そのような状況にない幼児に比較し大きかった。<br>7) 咬合力に影響を及ぼす食品として, いか (煮), 豚ヒレ肉, 油揚げ, ほうれん草が選出された。<br>8) 咬合力は, 食物繊維摂取量と有意な相関関係がみられた。<br>9) 母親の離乳食の与え方や食事づくり, 食事の食べさせ方に関する態度と食物繊維摂取量に関連がみられた。