著者
和田 悟朗 伊藤 千賀子
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.1694-1699, 1957

非電解質の水溶液に対する電解質の塩析作用をあらわす式としてさきに本文(1)式をみちびいたが,本報ではこの式の低用例として16種類の1-1型電解質水溶液へのジエチルエーテルの溶解度の測定値と計算置との比較を行った。電解質の塩析作用の大きさの順は本文(4)の順となる。またMillerの求めた電解質の水和数hおよびイオン接近距離αの値を用い,パラメーターΔS1を適当にえらんで計算した溶解度は電解質のmolality m=0.1~1.0の範囲内では0.1の誤差範囲内で実測値とよく一致するが,電解質の高濃度で乃をそのまま用いると,溶媒の全本秀子がすべてイオン水和水になるという矛盾を生じ,(1)式は物理的意義を失い,計算値は負の浩解度を示すだけでなく,イオン水和層内における局部溶解度S1も負となる。Si=Oとなるようなイオン水和数hoを定義してみると,種々のイオンのhoはアルカリ金属イオン,ハロゲンイオンに関して規則性を示し,前者ではイオン水和エネルギーの小さいほど,後者ではイオン水和エネルギーの大きいほど大きい値を有し,電解質の塩析作用の程度を予想することができる。

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