著者
日下 譲
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.570-573, 1957

酸化トリウムより発生するトロンを固体吸着剤に吸着させ,トロンより生成する放射性沈積物を有効に採取する方法につき検討した。そのため酸化トリウムを電気炉中で加熱してトロン発生を良好にし,乾燥空気を流入して流出気流を固体吸着剤相に通過させる。吸着剤として活性炭,シリカゲル,酸性白土,活性アルミナ,酸化鉄および二酸化マンガン等を使用した。<BR>実験結果によれば本法による卜ロンの放射性沈積物の収集能は活性炭が著しくすぐれており,シリカゲルおよび酸性白土が多少の収集能を有するが他はほとんど有しない。<BR>吸着剤に活性炭を使用した場合は定量的にトロンを吸着捕捉することができ,さらに本法によれば高電圧電源等は不要になる。活性炭上に集積された放射性沈積物すなわちThBおよびThC等は1N硝酸でしばらく煮沸することによりほとんど定量的に活性炭より溶離することができ,その溶液は鉛およびビスマスのトレサ一実験に使用できる。

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なるほど。トロン=Rn220っていうのは原子力関係だと一般的に使われている用語なので、知らない私が情けなかったってことか・・・https://t.co/2OXkqn7KsW

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