著者
古賀 昭人 川上 弘泰 野崎 秀俊
出版者
日本化學雜誌
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1280-1284, 1958

酸性硫化水素泉と含食塩重曹泉とについて40℃, 60℃のおのおのに老化現象として認められるもの-pH, 含有ガス, 濁度, 酸化還元電位, 過酸化水素分解速度定数, 吸収スペクトルなどについて同時測定を行い, つぎの結果を得た。<BR>いずれも含有ガスの逸脱によって幾多の老化現象が起り, 高温になるほどはやくなる。また泉質により異なり酸化還元電位は酸性硫化水素泉は低く時間による変動も大きく強力なる還元力泉であるに反し, 含食塩重曹泉は変動はずっと小さい。また過酸化水素分解速度定数の泉温による違い, 泉質による違いや人工泉との差異もはっきり形が現われており, 種々の変化はおのおの関連性があって時間的に一致している。硫化水素泉の大きな特長は吸収スペクトルの吸収端が一方に動かず反転することである。つまり一度,短波長側にうつりつぎに反転して長波長側に吸収が移動する。含食塩重曹泉はこれに反し長波長側に移行するのみであった。これらの点につき種々考察を行った。

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