- 著者
-
冨田 裕
- 出版者
- The Chemical Society of Japan
- 雑誌
- 日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
- 巻号頁・発行日
- vol.81, no.11, pp.1729-1730, 1960
エリスロタンタウリン(I)はTallen試薬(+),セミカルパゾン,ジメドン誘導体を生成する。アルカリと加熱すれば1molのアルカリを消費して溶解し,酸と加熱するとIにかえる。またクロム酸酸化によってラクトンカルボン酸C<SUB>10</SUB>H<SUB>8</SUB>O<SUB>4</SUB>が得られ,過マンガン酸カリウム酸化すると1,2,3-ベンゼントリカルボン酸が生ずる。水素化アルミニウムリチウムで還元して得られるトリオールは過ヨウ素酸を消費せず,C-CH<SUB>3</SUB>基も存在しない。赤外線吸収の値と考えあわせるとエリスロセンタウリンには,式IまたはI'が与えられるが,biogenesisの立場から式(I)の正しいことを推定した。