著者
豊瀬 恵美子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.99-106, 1985

商船船員は海上生活者で, 陸上生活者と異なり, 情報化社会から隔たった社会ということができる。その上, 職住一体であり, 仕事休みの時も同じ環境にいる。<br>このように, 特殊な環境で生活する商船船員の健康を管理する上で, 食事量, 食欲, 気分 (快感, 不快感に関する心の状態) について, どのような意識をもって食事をとっているかを知り, 食事作りに対応することは必須のことである。<br>このような観点から, 航海中の船員の食事量, 食欲, 気分について調査を行い, <i>x</i><sup>2</sup>検定および林の数量化理論第III類により解析し, 検討して以下のように要約した。<br>1) 食事量では,"多い"で朝食と昼食に有意の差がみられた (<i>x</i><sup>2</sup>検定)。<br>2) 食欲では,"旺盛"で夕食,"少ない"で朝食と夕食に, 気分では"不快"で朝食に有意差がみられた (<i>x</i><sup>2</sup>検定)。<br>3) 林の数量化理論第III類による食事意識の解析結果, 第1および第2相関比軸の2次元表現図による各変量のグループ分けによる船員の食事意識は3つのグループに分かれた。 Iのグループは食欲・気分はふつうだが量が多いと思っている人々, IIのグループは食欲がなく不快で食事に不満をもっている人々, IIIのグループは食欲旺盛, 気分快適で船内食に不満をもたない人々であった。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 商船船員の食事意識(豊瀬 恵美子),1985 https://t.co/fT8KWB9TLL 商船船員は海上生活者で, 陸上生活者と異なり, 情報化社会から隔たった社会ということができる。その上, 職住…

収集済み URL リスト