著者
岸田 典子 上村 芳枝
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.211-218, 1992
被引用文献数
1 2

近年, 日本家庭に伝承されている料理 (以下, 伝承料理とする) が健康面から見直され, その摂食回数も増加してきた。本研究は, 伝承料理 (さしみ・焼き魚・煮魚・高野豆腐の含め煮・煮豆・白和え・ごま和え・酢の物・煮しめ) の世代による意識の違いをアンケート調査により, 女子学生468人, 母親426人を対象として, 比較検討したものである。<br>1) 伝承料理に関する情報を母親から得る割合は, 学生約70%, 母親60%で, 世代間で有意差が認められ, 学生のほうが高かった。学校, テレビ, 本などから得る割合は, 両者とも約15%で, 同一であった。<br>2) 摂食回数の得点は, 酢の物・煮しめ・ごま和え・煮魚について世代間で有意差が認められ, 学生のほうが摂食回数は少なかった。嗜好の得点でみると, さしみを除いた8種の伝承料理は, 学生のほうには好まれていなかった。伝承料理をつくる際のイメージに関しては, 白和えを除く8種の料理について, 母親に比べて学生のほうが面倒であるととらえていた。<br>3) 伝承料理の手づくり割合では, 煮しめ・高野豆腐の含め煮・さしみについて世代間で有意差が認められ, 学生のほうが低かった。今後消費を増やしたい意向の強い料理は, 学生では焼き魚・煮しめ・煮魚, 母親では高野豆腐の含め煮・白和えであった。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

1 1 https://t.co/HyzchZ2otv
こんな論文どうですか? 日本家庭に伝承されている料理に関する世代比較(岸田 典子ほか),1992 https://t.co/8lUwTSJ9c8

収集済み URL リスト