著者
RABIE Raafat K. MATTER Mohamed K. KHAMIS Abd-El-Maksoud MASTAFA Mostafa M.
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.155-161, 1986
被引用文献数
3

食用ソラマメの生育と窒素含有量および収量に対する土壌塩類, 窒素施肥の影響をポット条件下で調査した. 塩類濃度は, 乾土当り 0.18, 0.30, 0.45, 0.60%の4水準を設け, 0.18%のものを対照区とした. 窒素施肥については, 1ポット4 kgの土壌に対して窒素成分として 0, 25, 50, 75 mg添加の4水準を設けた. 得られた結果は次の通りである. 1. 乾物重, 窒素含有量, 子実収量, 茎重, 個体当り莢数, 個体当り子実蛋白量は, 塩類濃度0.30%は促進的であったが, その他の塩類濃度では, 濃度が高まるにつれて抑制的であった. 百粒重, 子実蛋白含有率に対しては, 対照区に比べて全ての塩類濃度が抑制的に作用した. 2. 個体当り子実収量, 百粒重並びに開花前期と英形成期における乾物重については, それぞれの平均値が窒素施肥によって増加した. 3. 植物体窒素含有量, 個体当り莢数並びに子実蛋白含有量は, 窒素施肥によって増加し, 莢充実期と成熟期では 50mgの窒素施用が最も促進的であった. 4. 開花前期と莢充実期の植物体乾物重は, 最終子実収量と有意の高い正の相関が認められた. 5. 子実生産の効率は, 窒素施用量の増加にともなって高まった. これらの結果から, a) 塩類濃度 0.45%は, ソラマメの生育にとって限界濃度であり, b) 根粒菌種子接種に併用する窒素施肥は, 可給態窒素含量の低い土壌で最大収量を得るために有効であると結論された.

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