著者
高橋 姿
出版者
Society of Oto-rhino-laryngology Tokyo
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.10-16, 2003

当科では中耳真珠腫の再発予防に主眼をおき乳突充填型鼓室形成術を行ってきた。open法に準じた開放された術野で真珠腫を徹底清掃し, 次いで鼓室形成術後に外耳道の再建と清掃乳突腔の充填を行う。その結果, 真珠腫の再発が大幅に予防できた。その後も改良を加えながら成績向上に努めてきたが, 最近では骨パテをフィブリン糊で固定後, 圧迫・脱水した骨パテ板で外耳道後壁を再建し, 骨片と骨パテ板で乳突腔を充填している。本術式の要点と2年以上経過観察できた中耳真珠腫の初回手術症例35耳の成績を提示した。さらに乳突充填型鼓室形成術の問題点と今後の対応について述べた。

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