- 著者
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河上 清
- 出版者
- 日本蠶絲學會
- 雑誌
- 日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.1, pp.46-51, 1982
蚕室における消毒効果の判定, または清浄環境の保持のため, 空中浮遊糸状菌を対象に, その汚染度の調査に, RCS・エアーサンプラーを用いたところ, 落下法に比べ, 菌捕集効果が著しく高く, 定量的検査が可能であった。さらに, 本器は軽量で操作が簡便なため, 迅速な菌捕集作業ができた。消毒翌日の蚕室の空気中の糸状菌数は, 0.5個/100<i>l</i>であり, 病蚕発生のない飼育中の蚕室での同菌数は1.0~7.5×10個/100<i>l</i>程度であった。なお, 蚕飼育中における糸状菌汚染度の改善に, グルタルアルデハイド剤の散布が有効であった。検出された主要な糸状菌は, <i>Penicil-lium, Aspergillus</i> で, 他には <i>Cladosporium, Geotrichum, Alternaria, Paecilomyces, Cephalosporium, Rhizopus, Mucor</i> があった。