著者
高橋 清久 石川 直元 尹 興洙
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.757-762, 1990
被引用文献数
3

1, 1-ジアミノー3, 3, 5, 5-テトラ (パラクロロフェノキシ) シクロトリボスファゼン (ACPP) をエポキシ樹脂の硬化剤として用いた. 硬化物の力学的性質をねじり振子試験により測定し, 硬化剤として1, 1-ジアミノ-3, 3, 5, 5テトラフェノキシシクロトリホスファゼン (PC10) を用いた場合と比較した. ACPPはヘキサクロロシクロトリホスファゼンからKajiwara <I>et al</I>. の方法により合成した. ACPPは合成段階における収率がPC10より高く, またACPPはエポキシ樹脂を短時間で前硬化できる. PC10で硬化したエポキシ樹脂は, メタフェニレンジアミンで硬化した場合より室温付近で高い剛性率を示すが, 温度上昇に伴う剛性率の低下が著しい. これに対してACPPで硬化したエポキシ樹脂は150℃付近まで高い剛性率を維持する. またアルカリ浸漬によりPC10で硬化したエポキシ樹脂は劣化したがfACPPで硬化したエポキシ樹脂は優れた抵抗を示した. 以上の結果より, ACPPはエポキシ樹脂の150℃以下での剛性率と耐アルカリ性を高めるために効果的な硬化剤といえる.

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