著者
池田 勉
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.261-272, 1990
被引用文献数
21

ニホンウミノミを1°, 5°, 8°, 12℃で飼育し, 脱皮間隔 (<I>IP</I>) と脱皮毎の体長増加 (△<I>BL</I>) を測定した. その結果, <I>IP</I>はニホンウミノミの体長が大きくなるほど, 水温が低いほど長くなった. △<I>BL</I>は体長によって変化したが水温による影響は見られなかった. 飼育実験で得られた同一個体についての連続した脱皮殻の観察から, 脱皮によって腹肢内・外葉の節数が脱皮によって1節ずつ増加することが分かり, 従って野外標本にもとつく△<I>BL</I>の推定が可能となった. このようにして, 飼育実験によるIPと, 野外標本による△BLから水温を変数とするニホンウミノミの成長モデルを提出した. この成長モデルから, 雌の育児嚢より放出された仔虫 (体長31.31mm) が仔虫を放出する雌 (体長: 10-17mm) に成長するのに要する日数は1℃で333-593日, 5℃で195-347日, 10℃で118-210日, 15℃で82446日となる. またこの成長モデルから計算される体重ベースの成長速度は同水温において同体重を有するオキアミのそれに匹敵する. 日本海におけるニホンウミノミの摂餌状態について若干の論議をした.

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