著者
杉本 洋介 柴田 知己 佐藤 陽彦
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.35-41, 1991

本研究は, 健常者における手指触覚によるアルファベット文字およびドット数の知覚に, 左右差があるかどうか調べることを目的とした. 被験者は, 利き手調査票によって分けられた80人の完全な右手利きの男性と, それ以外の10人の男性であった. 刺激は, 能動的な手指動作によって左右いずれかの人さし指に与えられ, 被験者は感じたアルファベット文字あるいはドットの数を口頭で答えるように指示された. 実験の結果, 完全な右手利きのグループでは有意に左手の成績がよく, また左手の優位はアルファベット文字で顕著であった. それ以外のグループでは反対の傾向がみられた. これらの結果より, 完全な右手利きの被験者ではアルファベット文字は右大脳半球で形態として処理されることが示唆された.

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