- 著者
-
清水 浩
- 出版者
- 公益社団法人 精密工学会
- 雑誌
- 精密機械 (ISSN:03743543)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.2, pp.290-293, 1985
かつて,レーザプレイボーイ説ということが関係者の間でささやかれた時期があった.レーザは研究に大きな費用を要する割に,応用上の成果が生まれにくいという意味である.これは,レーザの実験室レベルの研究成果にたいして,工業的に使用できるレーザの開発が追いつかなかったことが最大の原因であったと考えられる.ところが,基礎的技術が進んだことにより,最近になって,レーザは,微細加工に,光通信に,医学にと,どんどん応用分野を広げている.<BR>レーザレーダも,この恩恵をこうむり,このごろやっと実用の域に達しつつあるというのが,15年間この分野にたずさわってきた私の実感である.今後は,レーザレーダによる全国の環境や気象のモニタリング網の開発や,スペースシャトル等宇宙からの計測などの応用分野の開発に向けて研究が進むものと期待している.