著者
森 光國
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.259-264, 1975

トマトジュース缶詰の品質指標を選定するため,全カルボニル化合物について分離・同定した。また揮発性カルボニル化合物についてもガスクロマトグラフで測定した。その結果大要次のことが明らかになった。<BR>(1) 主要なカルボニル化合物として3-デオキシグルコソン,3-デオキシペントソン,HMFおよびフルフラールが分離同定された。<BR>(2) これら主要カルボニル化合物のうち,量的に多いのは3-デオキシグルコソンおよびフルフラールで,HMFは高温下に貯蔵した場合にのみ多量に生成した。これに対し,フルフラールは室温下でも明らかに生成した。<BR>(3) いっぽう揮発性カルボニル化合物としては9成分のn-アルカナール類,3成分のn-メチルアルキルケトン類およびフルフラールが検出され,このうち貯蔵によりけん著に増加するのはフルフラールであった。<BR>(4) 以上のことからトマトジュース缶詰の品質指標をカルボニル化合物からみた場合にはフルフラールが適当と思われる。

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