著者
古泉 快夫 佐藤 正子 武 桓子 大塚 一止
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.14, no.12, pp.545-547, 1967-12-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
6

電子レンジによる食品類の殺菌効果を試験し,つぎのような結果を得た。(1) 純水50mlについて電子レンジ照射による水分蒸発量は加熱時間にほぼ比例し,180秒間で約半量蒸発した。(2) 電子レンジ内部の温度上昇率は中央部がもっとも速く各部均等に上昇しない。(3) 既知微生物は20秒間照射で完全に死滅する。(4) 一般食品類の微生物は20秒前後の照射で完全に殺菌され,味・外観ともにほとんど変化しない。(5) 無処理の食品類は冷蔵庫で6日間保存中にその微生物はやや増加の傾向が見られるが,電子レンジで処理した食品類は6日間保存で微生物の増加は全然認められなかった。
著者
平田 明弘 王 逢周 木村 貞司 大武 由之
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.204-209, 1988-03-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
22

試験に用いた鶏は市販の白色レグホン種の産卵鶏で,市販の成鶏飼育用配合飼料で飼育した528日令の鶏である.鶏の可食部(胸筋,腿肉,肝臓,心臓および砂嚢)の重量は生体重の約1/3であった,調べた組織のなかで,肝臓が最も脂質含量が多く,胸筋は最も少なかった.鶏の脂質の主要な脂肪酸は,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸およびリノール酸であった.鶏の総脂質では多価不飽和脂肪酸含量が比較的多かった.鶏体組織の中性脂質画分では多価不飽和脂肪酸は少ないが,オレイン酸とリノール酸含量が多かった.中性脂質画分とリン脂質画分との顕著な差異は,リン脂質画分が中性脂質画分に比べて,ステアリン酸とアラキドン酸が多く,オレイン酸が少なく,また多価不飽和脂肪酸を多量に含むことであった-このような事実は'廃鶏の体組織が,酸化的酸敗に対して,おおむね敏感なことを示唆している.
著者
野田 克彦 磯崎 さとみ 谷口 春雄
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.791-796, 1985-11-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
16
被引用文献数
1 3

大腸菌生育に対するスパイス類の影響を検討し以下の結果を得た(1) 大腸菌のコロニー形成に対してクローブ,タイム,セージの加熱抽出水溶液は抑制的に働き,ブラックペパー,ローズマリーの加熱抽出水溶液はわずかに抑制的であり,マスタードの加熱抽出水溶液には明確な効果はみられず,ガーリック,パセリの加熱抽出水溶液およびワサビ,シソ葉,ヒネショウガの搾汁加熱液は生育促進的に作用した。(2) タイムには菌生育阻害物質としてチモールが存在するが,それと共に生育促進因子の存在も示唆され,タンニン酸など還元性物質である可能性があった。(3) 市販ガーリック粉末は大腸菌生育に促進的に働いたが,生鮮ニンニクは高濃度では生育を抑制し,低濃度域では逆に生育を促進した。市販ガーリック粉末および低濃度ニンニク汁の生育促進効果はスコルジニンによるものとの結果を得た。(4) 生鮮ワサビ,シソ葉,ショウガ,および乾燥パセリなどに菌生育促進効果がみられたのはアスコルビン酸によるものと推測した。
著者
高野 克己 鴨居 郁三 小原 哲二郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.310-315, 1986-05-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
31
被引用文献数
7

米糠中の脂質分解機構に関する基礎的知見を得るため,米糠の貯蔵試験を行い,各脂質成分の変化ならびに脂質分解酵素の存在について検討した.1. 米糠100g中にトリアシルグリセロール約11.5m mol,糖脂質(グルコースとして)約0.85m molおよびリン脂質(リンとして)約0.7m mol含有されていた.2. 米糠貯蔵中における各脂質成分の変化を詳細に知るため,米糠を31℃で貯蔵し,経時的にその変化を調べた.その結果,各脂質の分解速度はリン脂質>トリアシルグリセロール>糖脂質の順であり,トリアシルグリセロールの分解に先立ちリン脂質の分解が起こっていることが認められた.3. 米糠を貯蔵すると,まずリン脂質の分解が起こるので,米糠中の主要リン脂質であるホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジン酸およびリゾホスファチジルコリンの経時的変化について検討した結果,ホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルイノシトールは貯蔵初期に急速な減少を示したが,ホスファチジン酸およびリゾホスファチジルコリンの分解はやや緩慢であった.4. 米糠中の主要糖脂質であるトリグリコシルジグリセリド,ジグリコシルジグリセリド,モノグリコシルジグリセリド,アシルステリルグリコシドおよびステリルグリコシドの貯蔵中における経時的変化について調べたところ,各成分共にリン脂質成分に比べ,初期における分解速度は小さかった.5. 米糠の脂質分解酵素活性について検討したところ,米糠中に初めてホスホリパーゼCおよびホスホリパーゼDの存在を認めた.また,米糠100g中にはリパーゼ34 Unit,ホスホリピトアシルヒドロラーゼ8 Unit,ホスホリパーゼC 12 UnitおよびホスホリパーゼD 13Unitが存在し,その活性比は100:24:35:39であった.6. 米糠貯蔵中における各脂質分解酵素活性の変化について調べた結果,リパーゼ,ホスホリピドアシルヒドロラーゼ,ホスホリパーゼCおよびホスホリパーゼDは貯蔵60日目でも約30~60%の活性が残存し,これら酵素は米糠中において比較的安定であった.
著者
山野 善正 仲原 貴生 三木 英三 合谷 祥一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.1033-1037, 1991-11-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

包丁と超音波カッターで切断した測定試料について,切断方法の違いによる試料への影響を,クリープメーターを用いて粘弾性を測定し,写真機及び電子顕微鏡により観察したところ,次の結果が得られた.(1) カステラ,チーズでは,超音波カッターと包丁の切断方法の違いにより,瞬間弾性,遅延弾性,遅延粘性,定常粘性に差が認められた.特にカステラでは,その差が大きく,スポンジ状食品では,超音波カッターは非常に有用であると考えられる.(2) かまぼこでは,超音波カッターと包丁での切断方法の違いによる,明確な差は認められなかった.(3) カステラ,キュウリの切断表面の電子顕微鏡観察では,超音波カッターと包丁の切断方法の違いにより表面の凹凸に差が認められた.しかし,チーズ及びかまぼこでは,切断方法の違いによる,表面の凹凸の差は認められなかった.
著者
上田 成子 桑原 祥浩 平位 信子 佐々木 弘子 菅原 龍幸
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.507-514, 1991-06-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
28
被引用文献数
1 3 12

食用植物類101種107検体とキノコ類60種の計167検体のTry-P-1に対する抗変異原活性をSal. typhimurium TA 98株を用いて検討した結果以下の成績がえられた.1. 試験した試料のうちTry-P-1に対して強い抗変異原活性を示したものはレモンバーム,タイム,フキノトウ,モミジガサ,オレガノ,ツクシ,シロザ,ギョウジャニンニクおよびエストラゴンの9種であった.2. 食用植物類の科別分類では,キク科,シソ科,アブラナ科,セリ科植物に抗変異原活性がみられるものが多かった.また,香辛野菜類については,試験した全てが抗変異原活性を有していた.キノコ類については,45%の試料で抗変異原性がみられたが,野菜類に比してその活性は弱いものであった.
著者
中林 敏郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.142-146, 1978-03-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1 11 3

焙煎によるコーヒー豆の有機酸とpHの変化を検討した結果。(1) コーヒーの有機酸のブチルエステルをガスクロマトグラフィーで分析して,ギ酸,酢酸,乳酸,グライコール酸,レヴリン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,リンゴ酸およびクエン酸を同定した。(2) 焙煎により有機酸はそれぞれ変動するが,特にギ酸と酢酸の増減が著しい。(3) 焙煎中,遊離酸量はメディアムで最高となった後減少し,pHもこれに応じて変動するが,総酸量はほとんど最後まで増加を続ける。(4) メディアム以降,かなりの量の有機酸が黒褐色多孔性のコーヒー豆組織に吸着される。
著者
諏訪 信行 久保田 春美 高橋 和子 町田 肇
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.44-51, 1986-01-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
17
被引用文献数
12 18

耐熱性の高い高温性有芽胞細菌Cl, thermoaceticum, B. stearothermophilus, Cl. thermosaccharolyticumの芽胞を接種した代表的なレトルト殺菌タンパク飲料であるミルクコーヒーの変敗に対する食品乳化剤の添加効果を検討した.(1) F0 20~30という通常のミルクコーヒー缶詰の殺菌条件では,ショ糖脂肪酸エステルP-1670, S-1670を500ppm添加することによりミルクコーヒーの変敗を防止できることが判明した.また,500ppm以上添加することにより,加熱殺菌条件を緩和できることが示された.(2) ショ糖脂肪酸エステルの中では,ステアリン酸モノエステルS-1670よりもパルミチン酸モノエステルP-1670は約2倍の変敗防止効果を有することが認められた.(3) ポリナキシエチレンソルビタンモノパルミテート,ポリグリセリンモノパルミテート,グリセリンモノパルミテートのミルクコーヒー変敗防止効果は殆ど認められなかった.
著者
森 健 村岡 信雄 蔀 花雄
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.187-192, 1967-05-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

シリカゲルカラムによる溶出分析法を用いて,リンゴ,洋ナシ,モモ,ウメ,ミカン,ブドウ,サクランボ,イチゴ,メロンの9果実20品種の有機酸組成および各酸の含量を検討した。以上の果実からシリカゲルクロマトグラム上に18個のピークからなる有機酸の存在が認められた。果実別にみると,リンゴには11~14個のピークからなる有機酸パターンが得られた。同様に洋ナシは12個,モモは12~14個,ウメは12~13個,ミカンは13個,ブドウは13~16個,サクランボは14個,イチゴは14個,メロンは13個のピークからなる有機酸パターンが得られた。主要酸構成をみると,リンゴ酸のみを主要酸とするものはリンゴとサクランボであり,クエン酸のみを主要酸とするものはメロンであった。ウメはクエン酸がもっとも多いが,リンゴ酸もかなり含み,ミカンとイチゴもクエン酸がもっとも多いが少量のリンゴ酸をともなっている。洋ナシは品種により主要酸構成がかなり異なり,バートレットがクエン酸を主要酸とし,ついでリンゴ酸もかなり含むのに対し,ラフランスではリンゴ酸のみを主要酸とし,クエン酸はほとんど認められなかった。モモはリンゴ酸がもっとも多くクエン酸がこれにつぐが,両酸の含量は品種によりかなりの差が認められた。ブドウはリンゴ酸と酒石酸を主要酸とし,ローズシオターと植原1号ではこの両酸の割合が約2対1でリンゴ酸のほうが多いが,ヤマブドウでは酒石酸のほうがやや多く認められた。
著者
高坂 和久 小沢 総一郎 檀原 宏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.559-566, 1973

0.5Mrad照射後3日目までは,色沢の劣化はみられないが,咀しゃくないしのど越し時に,微かに照射臭が認められた。<BR>しかし,7日目ぐらいになると,照射ソーセージは退色を示し,色沢の劣化が認められた。一方,照射臭は薄くなり,よほど注意しないとわからない程度であった。<BR>この間,外観,肉質には全く変化がみられなかった。<BR>調理条件を変えた場合,嗜好性は,照射非照射間にわずかの差を生じたが,照射臭は湯煮処理(80℃5~7分)がもっとも識別を困難とし,冷時と油いためは,注意して比較すれば,識別ができる程度であった。<BR>以上の結果から,ウィンナーソーセージにγ線を0.5Mrad照射した場合,照射後2~3日目までは照射臭がわずかに残るが,嗜好性を根本的に変化させるほどではなく,調理条件によっては,さらに低減し得ることがわかった。
著者
小泉 幸道 上原 康浩 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.592-597, 1987-09-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
16
被引用文献数
5 14

比較的高価格で販売されている特殊食酢類11点の,一般成分,無機成分,遊離アミノ酸,有機酸について分析を行い,製品間の比較を行うと共に,普通の米酢とも比較を行い品質について検討した.(1) 一般成分については各成分共,製品間の差は多少みられたが,普通の米酢とあまり変わらなかった,しかし,沈でん物が発生している製品が多く,カラメルを添加して黒酢を強調している製品もみられた.(2) 無機成分については,ナトリウムが多く,次いでカリウムやマグネシウムであった.(3) 遊離アミノ酸については,含量の多いアミノ酸はアラモン,ロイシン,リジン,バリン.グリシンであった.全アミノ酸量は,56.9~362.6mg/100mlで普通の米酢よりは多いが,比較的含量は少なかった.原料や製造法による影響は大きいと思われる.全アミノ酸に対する必須アミノ酸の割合は,殆どが45~50%であった.(4) 酢酸を除いた有機酸については,乳酸の含量が一番多く,次いでピログルタミン酸であった.比較的高価格で販売されている特殊食酢類は,品質と価格に問題があると思われる.
著者
畑江 敬子 脇田 美佳 宮後 恵美 佐藤 由紀 島田 淳子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.755-762, 1994-11-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
12
被引用文献数
3 1

嗜好性の高い昆布だし汁を調製するための基礎的知見を得るために,だしの成分量と抽出時間(1~90分間)および抽出温度(5~95℃)との関係を調べた.各温度における各成分の抽出量(Y)は,抽出時間(X)の関数としてうまく示された.すなわち,ここでa値は,抽出初期段階における傾斜で, b値は,漸近値すなわち最大抽出量である.各成分についてa値を各抽出温度に対してプロットし,みかけの活性化エネルギーを計算した.同様に,各成分について, b値のみかけの活性化エネルギーを求めた.これらの活性化エネルギーを比較することによって,各成分の抽出における温度依存性を知ることができる.抽出初期の温度依存性は,マンニット,全エキス,K+, Cl-,および全窒素に高かった.最大溶出量の温度依存性の高い成分はCa2+,グルタミン酸, Mg2+, P5+お上アド全エキスであった.
著者
塚正 泰之 福本 憲治 一宮 まさみ 杉山 雅昭 峯岸 裕 赤羽 義章 安本 教傳
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.862-869, 1992-10-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
18
被引用文献数
1

冷凍豚肉を解凍した時に遊離するドリップの一般性状と利用方法について検討した.(1) ドリップの主体は筋細胞内液で一部細胞外液が含まれている.一般組成は水分とタンパク質で全体の99%を構成し,タンパク質の含有量は,ももドリップの8.8%からロースドリップの12.0%までの範囲である.(2) ドリップの一般性状は筋肉部位によって異なり,ばら肉のそれはロース肉ともも肉のドリップの中間的な性状を示す.核酸関連物質,有機酸などは肉の部位毎の特徴をそのまま示している.(3) ドリップ自体を塩せきすると経時的に遊離アミノ酸が増加し,食味が向上することが確認された.(4) ソーセージに解凍ドリップを復元添加するとドリップ自体の塩せきの有無に関わらず食味および色調が顕著に向上することが判明した.
著者
鈴木 普 佐藤 匡
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.71-75, 1966

ロースハムの日本農林規格における採点基準の具体的数値を把握するため,都内のJAS認定工場33社より56点の製品を採取し,断面の形態に対して,断面の径,面積,周囲長などについて測定し,つぎのような平均数値を得た。<BR>(1) 断面の円形は,長径8.04±0.16cm,短径7.36±0.67cmで,短径が比較的変化するやや扁平な円が多い。また長径,短径の方向は,脂肪層や結着面とはとくに関係がなかった。<BR>(2) 断面積は47.96±2.01cmcm<SUP>2</SUP>,筋肉面積は30.29±1.72cmcm<SUP>2</SUP>,脂肪面積は17.56±1.37cmcm<SUP>2</SUP>で,脂肪面積の変異係数が25.51%で,筋肉面積の変異係数の20.50%よりも大きく,断面からみて製品は脂肪量のばらつきの大きいことがわかる。<BR>(3) 断面における筋肉面積の割合いは63.36±2.49%であり,ロースの芯の周囲をおおう脂肪層の厚さは0.670~1.070cmぐらいである。<BR>(4) 断面の形態より採取試料56点中,明らかに肩ロースのラックスハムと思われるものが17点もあるのは,切断部位が5-6胸椎間のものより,2-3胸椎間のものが多いためと思われる。<BR>(5) 脂肪が肉の表面をなめらかにおおっているのは,周囲長と,脂肪と筋肉の接触面の長さの比が0.987±0.113ぐらいで,比が1.833と大きいものは脂肪面積も45%と大きく,比が0.593と小さいものは,脂肪が筋肉中まで入って,結着を悪くする原因を作っているようである。
著者
中林 敏郎 鈴木 邦男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.779-782, 1986-11-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1

焙煎に伴うコーヒー豆の著しい膨化と脆化の原因を明らかにする為に実験を行ない,次の事実を明らかにした.(1) 焙煎により豆の体積はイタリアンローストで約70%増となり,比重は生豆の1.16がイタリアンローストでは0.49と軽くなった.(2) 豆の圧縮強度は生豆の51.8kgからイタリアンローストでは1.72kgと著しく脆くなった.(3) 走査型電子顕微鏡観察により,焙煎の進行に伴なって表面のき裂は次第に大きく深くなると共に,豆の内部に球状の空胞が発達してスポンジ状となり,さらにイタリアンローストでは空胞壁の破壊もみられた.(4) この豆の内部組織のスポンジ化が豆の膨化と脆化の直接の原因であることを確かめると共に,焙煎時の熱反応の進行について組織学的に若干の考察を行なった.
著者
野村 孝一 受田 浩之 松本 清 筬島 豊
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.916-919, 1985
被引用文献数
1 2

電導度検出型糖含量測定用フローインジェクション分析(FIA)装置の汎用化の一環として,リンゴ果汁およびビート汁中の糖含量測定,並びに牛乳の全固形分(TS)含量の測定を試みた。本FIA装置を用いた場合,各試料ごとに専用の算出式を用いることにより全く同一のFIA運転条件下で糖含量あるいはTS含量の測定が可能であった。本法により算出した糖含量は平均0.24%の偏差でフェノール硫酸法により求めた値と一致した。一方,TS含量の測定においてはAOAC法と平均0.19%の偏差で一致する値を与えた。
著者
吉田 博 藤本 水石 林 淳三
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.496-503, 1992
被引用文献数
1 1

ヤナギマツタケの栄養世代における栄養要求性を基礎培地を設定して静置培養法により検討した.<BR>(1) 本菌は広範な炭水化物を炭素源として利用できるが,その要求性は炭水化物の種類によりかなり相違していた.キシロース,グルコース,フルクトース,ラクトース,マルトース,デキストリン,グリコーゲン,ペクチン,可溶性デンプンは良好な炭素源であった.<BR>(2) 有機態窒素であるペプトン,ソイトン,酵母エキス,肉エキス,カザミノ酸は良好な窒素源であった.無機態窒素のうちアンモニウム態窒素は比較的良好な菌糸体生長を示したが,硝酸態窒素での生長は良好ではなかった,グリシン,アラニン,アスパラギン酸,グルタミン酸,セリンは良好な窒素源であり,これらのアミノ酸は単独で比較的良好な効果を示した.<BR>(3) 燐酸カリウムおよび硫酸マグネシウムは栄養生長に不可欠であり, 30mg/lの濃度で最大生長に達した.硫酸亜鉛も生長促進効果を示し,3mg/lの濃度で最大生長に達した.<BR>(4) チアミンは栄養生長に不可欠であり,30μg/lの濃度で最大生長に達した.しかし,チアミンの単独添加では栄養生長は不十分であり,他の8種のビタミン類(ニコチンアミド,リボフラビン,パントテン酸,ピリドキシン,葉酸,シアノコバラミン,ビオチン,イノシトール)の添加により栄養生長は促進された.<BR>(5) 核酸塩基類(アデニン,グアニン,シトシン,チミン,ウラシル,オロット酸)の添加により栄養生長は促進された.