著者
野内 勇 大橋 毅 早福 正孝
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.392-402, 1984

野外に生育しているペチュニアの葉被害とPAN汚染の関係を明らかにするために, PAN感受性のペチュニア (ホワイトエンサイン種) を用いて, 1976年から1983年の間の5か年間4月から11月まで有楽町でほぼ毎日ペチュニアの被害観察と大気中のPAN濃度の測定を行った。ペチュニアのPAN被害は1976年には15回, 他の年は4-6回の発生があった。ペチュニアの被害発生率は日最高PAN濃度が5PP<SUP>b</SUP>以下および日PANドースが25PP<SUP>b・h</SUP>以下では10%以下であった。そして, 被害発生率は日最高濃度や日ドースの増加とともに増加した。しかし, ペチュニア葉被害面積と日PAN濃度との問には有意な相関はなかった。<BR>PAN汚染の地域分布を調べるために, 指標植物としてペチュニア (ホワイトエンサイン種, PAN感受性とブルーエンサイン種, PAN抵抗性) を用いたモニタリング観察調査を都内5か所 (青梅, 石神井, 用賀, 有楽町, 足立) で1982年と1983年に行った。ホワイトエンサインの被害は2か年の調査の間5月から10月までは5調査地点のうち1地点以上で毎月観察された。2か年の結果をまとめると, ホワイトエンサインおよびブルーエンサインの月間累積葉被害は東京西部 (青梅, 用賀, 石神井) の方が東京東部 (足立) よりかなり大きかった。なお, ブルーエンサインの月間累積葉被害はホワイトエンサインに比べ約半分程度であった。ペチュニアを用いたこれら野外調査の結果は, PAN汚染が晩春から秋にかけて都内全域で発生していることを明らかにした。

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