著者
阿部 賢一 金子 博治 藤原 基文
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-34, 1995

後進国の人々が職を、より良い収入を、より良い生活を求め、国境を超えての移動が増加している。我が国の外国人労働者の大半が不法就労者である。我が国の入国管理制度の内容と外国人労働者の実情を検討した。不法就労者の存在は、劣悪な労働条件、安い賃金・労働災害および疾病の多発など深刻な社会問題を引き起こしている。日本人労働者との差別、基本的人権問題もある。彼らの存在は、我が国の産業構造の転換の障害ともなり、社会底辺層の増大による安心社会の基盤崩壊にもつながる。外国人労働者問題の解決は極めて難しい。欧米の事例はそれを示している。現行の入国管理制度には種々の問題点があるが、現時点では単純外国人労働者の導入を阻止すべきである。一方、外国人実習制度は建設業界においても好評であり、国際協力の観点から、これを充実・促進し、技術移転を進めるべきである。しかし、人手不足の対応のみに利用されないように監視が必要である。

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