- 著者
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松浦 啓一
戸田 実
- 出版者
- The Ichthyological Society of Japan
- 雑誌
- 魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.1, pp.91-93, 1981
本邦初記録のケショウフグ (新称) <I>Arothron mappa</I>とワモンフグ (新称) <I>A.reticularis</I>が沖縄本島から採集された.<BR>ケショウフグは, 腹側面に一大黒斑を有すること, 体の背方に虫食い状の暗褐色模様を有することで他のモヨウフグ属の種類と容易に識別できる.ワモンフグは, サザナミフグ<I>A.hispidus</I>に似ているが, 眼の周囲に環状の白色線があること, 体の背面と側面に多数の白色縦線をもつことで識別される.<BR>Beaufort in Beaufort and Briggs (1962) は, ワモンフグの尾柄長が尾柄高より小さく, サザナミフグでは逆に尾柄長が尾柄高より大きいと報告している.しかし翁今回得られたワモンフグの尾柄長は明らかに尾柄高より大きく, これらの部位の関係には種内変異があることを示唆した.