554 552 2 0 OA ウバザメの幼魚

著者
伊澤 邦彦 柴田 輝和
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.237-245, 1993-08-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
21

三重県和具のサワラ刺網で1977年5月4日, 特異な形状の吻を持っ全長2.6mの雌のウバザメ1頭が捕獲された.脊椎骨椎体に形成された石灰化輪紋の数から生後6ヵ月以内の, その年の1月頃に生まれた幼魚と推定され, 腹面に溝を備えた長く湾曲した吻はウバザメの幼魚形態と考えられた。この吻の幼魚形態は急速に変化して生後1年 (全長4m) でほぼ消失すると推定された.吻は神経頭蓋の3本の吻軟骨によって支持されており, 生後1年以内に起こる吻の急激な形態変化は吻軟骨の相対成長によって引き起こされると考えられた.吻の幼魚形態は胎児期から誕生後の幼魚期にかけての摂食に関わり, 母胎内では卵食性に関係して, 誕生後の若い幼魚にとっては不十分であろうと考えられる遊泳摂餌能力を補償する口域の拡大あるいは流体力学的な意味で摂食に関与するものと考えられる.
著者
明仁親王 目黒 勝介
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.127-142, 1975-12-29 (Released:2010-06-28)
参考文献数
28

フタゴハゼGlossogobius giuris (Hamilton) と見なされていたウロハゼ属の1型は新種と認められたのでG.aureus (新称: コンジキハゼ) として記載した.本種の最も重要な特徴は孔器の配列にある.ウロハゼ属の他の種と比較し, その特徴を明らかにした.
著者
中島 淳 鬼倉 徳雄 松井 誠一 及川 信
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.117-131, 2006-11-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
60
被引用文献数
12

Genuine freshwater fish faunas of 32 rivers in Fukuoka Prefecture, northern Kyushu, Japan, were surveyed between 1998 and 2005, in order to clarify their geographical distribution patterns. A total of 39 fish species/subspecies (10 families) were recorded in the field survey and from existing literature, a cluster analysis separating them into the Chikuzen-Chikugo and Chikuho-Buzen groups. The former was considered to include fauna influenced by mainland China and the Korean Peninsula, the latter being similar to the freshwater fish fauna of rivers flowing to the Seto Inland Sea. The freshwater fish species in Fukuoka were roughly divided into those that occurred in rivers regardless of river length and those that tended to be present in rivers exceeding a certain length. The genuine freshwater fish fauna in Fukuoka is considered to have evolved through geographical isolation and the restriction of river length.
著者
鈴木 良威
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1-2, pp.12-14, 1956-01-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8

(1) この報告はカマツカ口唇の粒状突起を組織学的に研究したものである。(2) 粒状突起上にはその構造から考えて味感球が存在する。そしてこの味感球は突起の先端部附近に多く集つており, その他の部位には比較的少ないかまたはまつたくない。(3) 味感球の形態および構造は, マドヂョウやシマドヂョウのそれと大差はない。(4) この研究結果から, カマツカ口唇の粒状突起は摂餌行動に際して有効に役立つことが推察される。
著者
宗原 弘幸 高野 和則 古屋 康則
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.391-394, 1991-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
13

交尾型カジカ, イソバテングBlepsias cirrhosusの配偶子がいつ, どこで会合し受精開始するかを明らかにした.排卵した雌の卵巣腔から卵と卵巣腔液を取り出し, 一部の卵を海水または卵巣腔液に浸し, 24時間後にそれぞれの胚発生状態を観察した.その結果, 海水中の卵のほとんどは胚発生を開始していたが, 卵巣腔液中の卵は全く発生しなかった.しかし, これらの未変化の卵を海水に移すと, その多くが胚発生を開始した.また, 海水に浸す前の卵を光顕観察した結果, 多数の精子が卵門管内に侵入しているものの, 卵細胞質内への貫入は認められず.卵も第二減数分裂の中期にとどまっていることが確認された.以上の結果から, 本種では体内で両配偶子の会合は終えているが, 受精は産卵後海水中で開始することが明らかとなった.
著者
松本 清二 岩田 勝哉
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.35-41, 1997-05-26 (Released:2010-06-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Paternal egg guarding and mouthbrooding of larvae and juveniles were observed in the swamp-eel, Monopterus albus. In aquaria, the male guarded and cared for eggs in the bubble nest floating inside a plastic tube (5 cm in dia-meter, 50 cm in length). It was suggested that spawning and fertilization occurred outside the nest tube, and that the male carried the fertilized eggs (ca. 4 mm in diameter) in his mouth and inserted them into the bubble mass. Until the hatching of larvae (7-8 days after spawning), the male frequently added fresh bubbles into the bubble mass. As soon as the larvae (18-21 mm in TL) hatched and emerged from the bubble nest, the male sucked them into his mouth. Fifty juveniles (32-37 mm in TL) and two yolk-sac larvae (22 mm in TL) were released from the mouth of a male collected from a natural habitat. Those juveniles were retrieved by the male, some of them voluntarily returning to the male's mouth. The mouthbrooding male frequently performed pumping behavior (i.e., inflating and deflating the buccopharyngeal cavity), thereby acquiring to take fresh air. Eggs removed from the bubble nest successfully hatched only when directly exposed to aeration. In addition, only about 40% of the hatched larvae survived more than 10 days when they were kept in well-aerated water without the male parent. These suggest that both the bubble nest and mouthbrooding are indispensable for successful development and survival of eggs and larvae in this species, which inhabits swamps and paddy fields.
著者
Jack T. Moyer Martha J. Zaiser
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.466-468, 1982-02-27 (Released:2010-06-28)
参考文献数
4

1980年8月15日16時30分, 三宅島の水深12mの地点で全長約90cmの2尾のウツボGymnotborax kidakaが産卵しているのを観察した.両者は尾部をゆるくからませていたが, 突然腹部を押しつけ合ってから離れた.その瞬間精子による水の白濁が観察された.卵は直径約2mmの丸い浮性卵で, 親魚による卵の保護は観察されなかった.1980年7月29目19時30分には, 岸近くの水深2.5mの地点で, 全長約25cmのUropterygtus necturus4尾が群がって行動しているのを観察した.これは産卵直前の行動と思われた.
著者
仲谷 一宏
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.35-42, 1993-05-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9

1992年3月8日午後, 愛媛県松山市堀江沖2.3km, 水深22メートルの海底でヘルメット式潜水器具を用いてタイラギ貝漁をしていた潜水夫が行方不明になった.この潜水漁を支援していた船の船長によると, 作業中の潜水夫から突然「上げてくれ」という救助を求める声を聞き, 20分程度かけてやっと引き上げたが, ズタズタに裂けた潜水服とヘルメットだけを回収したという.潜水夫は行方不明で, その後の捜索にもかかわらず, 結局発見できなかった.この事故直後に海上保安部などにより潜水服の調査が行われ, その結果サメによる事故とされた.しかし, その後は詳しい調査が行われず, サメ以外の説も出されるようになったため, 佐賀県太良町の潜水士宅に保管されていた潜水服の再調査を実施した.その結果, 潜水服は胸部から脇腹にかけての胴部右半分と右足が切断され, 肩や腕などに多くの咬み傷のあることが改めて確認された.ヘルメットを固定する金属性の肩当て部分には強い力で穿孔されたと思われる穴や細かな平行な曲線からなる傷跡があり, 通信用ケーブルやゴム部の切断面にも細かな平行のすじ状の模様があった.肩当て部分のゴムの深い傷から長さ約5mm, 幅約2.5mmの歯の破片が発見され, これには2個の鋸歯が残されていた.また, 肩当てや潜水服に残された咬み跡を調査して顎の幅を検討したところ, 40cmはあったと推定された.これらの証拠から, この潜水夫を襲ったのは歯の縁辺部に鋸歯をもっかなり大形のサメであったことが明白となった.これらの歯の破片の特徴, 潜水服などに残された傷跡, 顎の大きさなどに加え, 水温 (当時の付近の水温は水深20mで1L6℃) や四国近海での当時のサメ類の出現状況などを総合的に検討した結果, この潜水夫を襲ったのは全長5m前後のホホジロザメであると結論された.日本では以前からサメによる被害が新聞などで時々報道されているが, これらの記録は散逸し, 被害の実態を捕らえることが出来ない.従って, 日本のサメによる被害を調査したが, 公認されているものも含め現時点で10数件の被害例を見い出した.しかし, これらの日本の事例においては, 襲ったサメの種類調査など後の科学的調査がほとんどなされていないため, 日本で被害を与えているサメについては種名すら分かっていないのが現状である.将来のサメによる事故を防ぐ意味からも, まだ埋もれているサメ被害例を発見し, 分析してみる必要があろう.なお, 本研究で集められたサメによる被害にっいては国際サメ被害目録 (International Shark Attack File, 事務局はフロリダ自然史博物館) に載せておいた.
著者
明仁 坂本 勝一
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.100-112, 1989
被引用文献数
1

The striped goby was characterized by having more than 50 scales in a longitudinal row and 2 black longitudinal bands from the head to the tail. It has been regarded as 1 species since Tomiyarna (1936) grouped several nominal species into one, <I>Tridentiger trigonocephalus</I> (Gill, 1858). But detailed study has revealed that it can be classified into 2 separate species, <I>T. trigonocephalus</I> and <I>Tridentiger bifasciatus</I> Steindachner, 1881, on the basis of the difference mainly in the forms of the sensory canals and pectoral fins and in the coloration. <I>T. trigonocephalus</I> has been collected from Hokkaido to Kyushu in Japan, and in Korea, China, and Hong Kong abroad. It has immigrated into both California, U.S.A., and New South Wales and Victoria, Australia. <I>T. bifasciatus</I> has been collected in the same area as <I>T. trigonocephalus</I> in Japan, and in the Soviet Union, Korea, China, and Taiwan abroad. Both species inhabit brackish and sea water with stony bottoms, and are often found in the same place. However, <I>T. trigonocephalus</I> has seldom been found in very dilute brackish water, and <I>T. bifasciatus</I> has not been found in undiluted sea water. The type specimen of <I>T. trigonocephalus</I> has not been found, but the identification to <I>T. trigonocephalus</I> was decided on the basis of the closeness of the numbers of the 2nd dorsal and anal fin rays to those of the original description, which were 14 and 13, respectively. In addition, the type specimen was collected in the port of Hong Kong, where the water is not diluted and is unlikely to be suitable as habitat for <I>T. bifasciatus</I>.
著者
渡辺 勝敏 前田 洋志
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.409-420, 1995-02-21 (Released:2010-06-28)
参考文献数
23

遺伝学的に別種であることが示されている日本産ギギ科魚類2種, Pseudobagrus aurantiacus (Temminck and Schlegel) (アリアケギバチ) とそのシノニムとして扱われてきたP. tokiensis Döderlein (ギバチ) について, 模式標本を含む多数の標本を基に両種を再記載し, 形態比較を行った.その結果, P. aurantiacusは, より高い背鰭, 胸鰭棘前縁を広く覆う顕著な鋸歯列, 外向きの1-3歯を伴うより高密度な同後縁鋸歯列, より幅広い上後頭骨突起, 上後頭骨突起と同程度の長さの大きな上神経骨, 幅広い擬鎖骨後方突起 (後端>20°), 外翼状骨から大きく離れた舌顎骨前縁より明瞭な若魚の体斑パターン, 等によってP. tokiensisから区別された.
著者
明仁親王 目黒 勝介
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.409-420, 1988

ロクラハゼ属の2種キマダラハゼ<I>Astrabe flavima-culata</I>とシマシロクラハゼ<I>A. fasciata</I>を新種として記載し, シロクラハゼ属の模式種であり, 今まで知られていた唯一の種であるシロクラハゼ<I>A. lactisella</I>についても前2種と比較して再記載した.キマダラハゼは日本産魚類大図鑑の中でキマダラハゼ<I>Astrabe sp</I>.として明仁親王 (1984) が解説を付したものである.キマダラハゼはシロクラハゼとは眼の上縁にある皮摺の上後部が突出しないこと, 縦列鱗数が少ないこと, 第1背鰭前方と腹部に鱗があること, 胸鰭基部を通る白色横帯の幅が狭いこと, 生時には胸鰭基部を通る白色横帯を除き, 暗褐色地に黄色模様が見られることによって区別される.シマシロクラハゼはシロクラハゼとは横列鱗数が少ないこと, 体側の鱗のある部分の幅が狭いこと, 胸鰭基部を通る白色横帯の幅が狭いこと, 第1背鰭前部から体の腹側に向かう白色横帯があることによって区別される.この度の標本の調査により, Snyder (1912) が記録した種子島産の<I>A. lactisella</I>はキマダラハゼであり, 本間・田村 (1972) が記録した佐渡島達者産のシロクラハゼはシマシロクラハゼであることが判明したので, これらの標本はそれぞれの種の副模式標本とした.また道津.塩垣 (1971) がシロクラハゼとして扱ったものの中, 標本を調べることが出来た鹿児島県馬毛島産のものはキマダラハゼであった.長崎県野母崎産の標本は図から判断するとシマシロクラハゼと考えられる.明仁親王 (1984) のシロクラハゼとキマダラハゼの解説は訂正しなければならない.
著者
水口 憲哉 檜山 義夫
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.17-23, 1969-06-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

東京都下秋川において行なった調査により, オイカワZacco platypusの成熟および臀鰭の性徴について以下の点を明らかにした.1) 6月から8月の産卵期に, 雄はよく発達した追い星, 体側の赤および青緑色, そして異常に発達した臀鰭などによって特徴づけられた.III+才魚およびII+才雄の半数よりなるこれらの成熟雄は産卵活動を行ない9月までに死に絶えてしまった.2) II+才雄の残り半数は, 何ら二次性徴を示さず, 細い糸状の精巣をもったままで産卵期を経過してしまったため, 上述の成熟雄に対し“非成熟”雄とされた.“非成熟”雄は, 夏期にも成長を続け翌年の産卵期にIII+才魚として成熟した.3) 成熟雌においてもその程度は低いが臀鰭における形態的変化がおこった.雌はほとんどがII+才で産卵を開始しIII+才で2回目の産卵を行なった後に姿を消した.4) 5月から8月にかけては, 全長80mm以上のオイヵワについて臀鰭長により雌雄の判定が可能であり, また, 特に雄においては性的成熟の度合を知ることができる.5) 鱗に表われた過去の成長状態を参考にして, 雄が成熟または“非成熟”へと別れる過程およびII+才雄全体に対する“非成熟”雄の割合などについて考察した.
著者
Moyer Jack T. Zaiser Martha J.
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.466-468, 1982

1980年8月15日16時30分, 三宅島の水深12mの地点で全長約90cmの2尾のウツボ<I>Gymnotborax kidaka</I>が産卵しているのを観察した.両者は尾部をゆるくからませていたが, 突然腹部を押しつけ合ってから離れた.その瞬間精子による水の白濁が観察された.卵は直径約2mmの丸い浮性卵で, 親魚による卵の保護は観察されなかった.1980年7月29目19時30分には, 岸近くの水深2.5mの地点で, 全長約25cmの<I>Uropterygtus necturus</I>4尾が群がって行動しているのを観察した.これは産卵直前の行動と思われた.
著者
向井 貴彦 西田 睦
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.71-76, 2003-05-23 (Released:2010-06-28)
参考文献数
24
被引用文献数
1

Phylogenetic relationships among 4 major geographic population groups (San-in-Biwa-Ise, East Seto, West Seto and West Kyushu) of Japanese freshwater goby Odontobutis obscura (Perciformes: Gobioidei: Odontobutidae) and related species O. hikimius were inferred from partial nucleotide sequences of the mitochondrial 12S and 16S rRNA genes. The resultant mitochondrial DNA (mtDNA) phylogeny was consistent with that based on the previous allozyme analysis. This phylogeny showed that specimens from the Sagami River system in Kanagawa Prefecture, Kanto District, were extremely close to fish from the West Seto group, suggesting the formers to have been descended from individuals artifi-cially introduced from the range of the latters. Judging from the fact that about 40 individuals of the goby were easily collected by a person in 2 hrs, the Kanto popu-lation did not seem to be small, and thus might be disturbing the native fauna in the river system.
著者
明仁親王
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.57-64, 1971-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
5

Among the 109 species of gobiids listed at the end, the supratemporals were found in six species: five out of sixteen species in Group 1 and one species in Group 3 (Table 1).No supratemporal was found in Group 2 and Group 4 (for the characteristics of the four groups, see Prince Akihito, 1969). These bones were found between the sensory canal groove of the pterotic and the post-temporal (Fig.1).These species had a continuous sensory canal from the anterior tip of the head to the area of the supratemporals and the supratemporal canal.The supratemporals consisted of three pieces, anterior, median, and posterior, which I named without particular consideration for the homology of Tominaga's (1968: 59) anterior and posterior supratemporals on the Pempheridae.They were all separated in three species, Oxyeleotris marmorata (Figs.1.A and 2.A), Bostrichthys sinensis (Fig.2.C), and Ophiocara porocephala (Fig.2.D), and each piece usually had one nerve foramen.In two species of the genus Butis, B.butis (Fig.2.E, F) and B. gymnopoma (Fig.2.G), the median and posterior supratemporals were fused. In Xenisthmus clarus (Figs.1.B and 2.H) the anterior and median supratemporals were fused.The fused bone had two nerve foramina.Wide individual variations were observed in the shape, including loss of a bone (Fig.2.B), separation of a fused bone, loss of a nerve foramen, or an additional foramen on the upper lateral side.The presence or absence of supratemporals was dependent on the presence or absence of the sensory canal on that part, except in the cases of Bathygobius petrophilus and Syciopterus japonicus (both belonging to Group 4) which had a continuous sensory canal but no supratemporal canal. Although the presence or absence of sensory canals was sometimes inconsistent, it seems that the systematic value of the supratemporal is signifcant, considering that the most unspecialized Oxyeleotris marmorata and Bostrichthys sinensis (which are the only species having a suborbital) have the most complete sensory canal systems with three supratemporals.
著者
渡辺 勝敏 高橋 洋 北村 晃寿 横山 良太 北川 忠生 武島 弘彦 佐藤 俊平 山本 祥一郎 竹花 佑介 向井 貴彦 大原 健一 井口 恵一朗
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-38, 2006-05-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
247
被引用文献数
6

The biogeography of freshwater fishes in Japan was reviewed in terms of achievements and perspectives. In the last three decades, biogeographic studies have changed from earlier descriptions of the freshwater fish fauna, based on the Linnean classification system, to phylogenetic approaches using various molecular markers. Especially, the phylogeographic approach, which explores the formation of geographic distribution patterns of genealogical lineages within species, has become predominant. Analyses of genuine freshwater fishes have disclosed their speciation and dispersal patterns throughout temperate East Asia since the Neogene, along with the formation of the Japanese Archipelago. In particular, molecular clocks of mitochondrial DNA have played an important role in examinations of biogeographic relationships between the Japanese Archipelago and Chinese continent/Korean Peninsula, and vicariance by Fossa Magna in central Honshu Island. Patterns of range expansion through the sea and landlocking in coldtemperature euryhaline fishes have indicated their speciation and distribution dynamics under the fluctuating climatic conditions of the Plio-Pleistocene. Likewise, phylogeographic implications of unusual biological entities arising from interspecific hybridization or gynogenesis have been discussed. Nevertheless, despite the emphases given to some groups, the present knowledge of phylogeographic patterns of Japanese freshwater fishes is for the most part still insufficient for quantitative analyses of the overall history of the freshwater fish fauna and geographic regions of Japan. Improved research techniques and methodologies for the integration of findings from multiple taxa and/or genes are essential. Further, evolutionary formation of distributional ranges should be considered together with ecological biogeography, including the processes of local adaptation, interspecific interaction and extinction. Modern day disturbances of freshwater fish distributions, including fish transportation, are rapidly leading to artificial distribution patterns and extinctions. Exhaustive phylogeographic analyses should be necessary as a primary requirement for conserving freshwater fish biodiversity in Japan.
著者
渡辺 勝敏 森 誠一 名越 誠 田 祥麟 清水 義孝
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.157-162, 1992-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

日本の伊勢湾周辺に局在するネコギギCoreobagrus ichikawaiは, 韓国に分布するウサギギギC. brevicorpusとの核型の相違が報告されているが, 過去にはその形態的類似性から, 独立した種としての有効性が疑われることがあった.櫛田川と田切川 (員弁川水系) 産のネコギギ32個体, および南江 (洛東江水系) 産のウサギギギ35個体について, 計数および計量的な合計18形質を比較した.その結果, 臀鰭軟条数, 鰓耙数, 体高比, 眼径比, および頭部と各鰭の大きさや形など, 多くの形質で有意な差異が認められた.さらに, 胸鰭棘前縁の鋸歯の形状や固定標本の色彩にも差異が認められた.また, 体長約50mmを越えた個体については, 両者を識別する際に相体成長をほとんど無視できることがわかった.一方, Jayaram (1966) が記載したC. okadaiは, C. ichikawaiのシノニムと判断された.
著者
山根 英征 横山 正 長田 芳和 山田 卓三
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.135-147, 2004-11-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
18
被引用文献数
5

The reproductive ecology and early life history of the bagrid catfish, Pseudobagrus nudiceps, were investigated in the field and laboratory. The species reproduced between late June and early August in a tributary of the Kinokawa River, Wakayama Prefecture. During the reproductive period, large mature males maintained a territory around crevices along shoals and banks. Mating behavior was observed there and in an aquarium, the field observations being the first for any Asian bagrid. When a female visited a male's territory, a series of behavioral activities, including courting, embrace and egg-stirring by the female were observed. Females (115-137mm SL) produced 1200-3000 developed ovarian eggs, apparently spawning in the nests of several males. Parental males cared for the eggs by fanning and cleaning, using the pectoral and pelvic fins, and displayed aggressive behavior against fish approaching the nest. Spawned eggs were adhesive and between 2.5-2.7mm in diameter. The eggs hatched 2.5-3 days after fertilization at an average water temperature of 26°C. At 2 days posthatching, the larvae began to move at night, leaving the nest after 7 days. Brood parasitism by the Japanese minnow, Pungtungia herzi, was frequently observed in the nests of Pseudobagrus nudiceps.
著者
河野 博
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.268-286, 1984-11-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
50

ウロコマグロの骨格系を記載した. それに基づいて, スズキ目に属する9科との比較を行い, ウロコマグロの系統的位置を考察した.ウロコマグロはサバ科魚類の特徴とみなされた13形質のうち12形質を保有していた.これに対して, サバ科以外のスズキ目魚類では, ウロコマグロとだけ共有されている形質はシイラ科の節骨以外に見出すことはできなかった.さらに, ウロコマグロには15の特異な形質が認められた.これらの形質は主に頭部に集中しており, これらの形質に基づいて単一の科を提唱することは本質的ではないと判断した. 以上のことから, ウロコマグロはサバ科に属すると結論した.ウロコマグロと他のサバ科魚類を比較すると, ウロゴマグロにはサバ科の原始的・派生的形質がモザイク状に分布していることが判明した. 先に述べた15の特異形質とサバ科魚類の形質状態がモザイク状に分布していることから, ウロコマグロは早い時期にサバ科の主幹から分化して独自の特化方向へむかったものと推論した.
著者
Takaaki Shimizu Nobuhiko Taniguchi Nobuhiko Mizuno
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
Japanese Journal of Ichthyology (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.329-343, 1993-02-15 (Released:2011-07-04)
参考文献数
40

河川陸封性魚種であるカワヨシノボリの地理的変異を, アイソザイム分析を用いて23遺伝子座について検証した.各河川の集団間の遺伝的分化は回遊性魚種や周縁性魚種のそれと比べると人きな値をとり, この差は本種の生態学的特性を反映しているものと考えられる.遺伝子組成の相違により, 本種の集団は5つのグループに大別された.21集団から成る最も大きなグループ (グループ3) は瀬戸内海を中心に分布し, 6集団からなる, 濃尾平野を中心に分布する第2のグループ (グループ2) とは鈴鹿山脈によって隔てられていた.両グループ内の遺伝的分化の程度は共に小さかった (平均遺伝的距離: 0.02-0.04).本種の分布域の東限に分布する第3のグル― プ (グループ5) は他のグループとの間だけでなく, グループ内においても遺伝的に最も大きく分化していた.残る2つのグループ (グループ1と4) は, 各々, 単一の集団からなるグループと, 遺伝的に類似するが地理的な近似性の無い3集団からなるグループであった.本種の現在の分布は洪積世以降の日本列島の地史を反映しているものと考えられる.