著者
鈴木 章泰 内藤 美保 功刀 利夫
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.500-503, 1994
被引用文献数
3

ポリメタクリル酸メチル (PMMA) フィルムのネッキングゾーン延伸における臨界ネッキング応力 (σ<SUB>c</SUB>) と延伸温度 (T<SUB>d</SUB>) との関係を調べた. その結果, ガラス転移温度 (T<SUB>g</SUB>=110.4℃) 以下の温度域で<SUB>c</SUB>T<SUB>d</SUB>の低下に伴いほぼ直線的に増加することが確認された. そこで, T<SUB>g</SUB>以下の温度域でのσ<SUB>c</SUB>をT<SUB>g</SUB>T<SUB>d</SUB>の差 (T<SUB>g</SUB>-T<SUB>d</SUB>) についてプロットしたところ, 次式で示されるような簡単な実験式を得た. σ<SUB>c</SUB>=C (T<SUB>g</SUB>-T<SUB>d</SUB>) (ただ, T<SUB>g</SUB>>T<SUB>d</SUB>) なお, この定数Cは0.490MPa・℃<SUP>-1</SUP>となり, ポリエーテル・エーテル・ケトン (PEEK) フィルムの0.539MPa・℃<SUP>-1</SUP>およびポリ (エチレンテレフタレート) (PET) 繊維の0.546MPa・℃<SUP>-1</SUP>に近い. 種々のT<SUB>d</SUB>でネッキングゾーン延伸して得られたフィルムのネッキング延伸倍率 (λ<SUB>n</SUB>) では, T<SUB>g</SUB>以下で延伸したフィルムのλnがT<SUB>g</SUB>以上で得られたィルムより大きく, また, T<SUB>g</SUB>以下の延伸ではT<SUB>d</SUB>が高いほどλnが大きくなる傾向にある. 負の複屈折 (Δn) を示すPMMAで, T<SUB>d</SUB>=80℃で延伸したフィルムのΔnは-16×10<SUP>-4</SUP>であるが, T<SUB>d</SUB>の上昇とともに負の値が小さくな, T<SUB>d</SUB>=132℃で延伸したフィルムはほとんど無配向である.

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