- 著者
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吉田 俊昭
山本 真志
大石 和徳
田口 幹雄
井手 政利
渡辺 貴和雄
松本 慶蔵
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学療法学会
- 雑誌
- CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.1, pp.332-343, 1986
本邦で合成開発された新アミノ配糖体系抗生物質HBKの蓬礎的・臨床的研究を, 他のアミノ配糖体系抗生物質を対照として行なった.呼吸器感染症由来の病原性の明礪な臨床分離株に対する本剤の抗菌力は, 他のデミノ配糖体系抗生物質と比較し, <I>S.aureus, E.coli, K.pneuronia, Entrbcter</I>, sp.に対1し他剤より優れ, <I>P.aeruginosa</I>に対し, ては中等度の成緩であった.<I>P. aeruginosa</I>に対し本剤と<I>Cefsulodin</I>との<I>in vitro</I>相乗作用が認められた.<BR>本剤75mg筋注時および100mg 1時間点滴静注時の血中濃度はピーク値で8.09μg/ml.半減期は109分, 108分であった.点滴静注時の局所疾中濃度の最高値は1.38μg/mlで, 喀痰中濃度は1. 15μg/mlであり, 喀痰中移行率ほ10.1%でありた.本剤気管内注入後の家兎血中濃度は30/分にピークを示し, 濃度依存性であった.<BR>呼吸器感染症10例に対し本剤75mg (または100mgないし50mg) を1日2回 (または1回) 筋注投与し, 著効1例, 有効9例, やや有効1例, 無効1例であった.2症例に本剤の吸入療法を行い有効性が認められた. 9症例に本剤100mg (または75mg) を1日2回点滴静注し, 有効6例, やや有効3例であった.有効以上の有効率は筋注, 吸入, 点滴静注でそれぞれ83%, 100%, 67%であった. 1例に耳閉感の副作用が認められた.<BR>以上より, 本剤は呼吸器感染症に対して臨床的有用性の高いアミノ配糖体系抗生物質であると結論される.