著者
宮脇 昭
出版者
The Botanical Society of Japan
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.916, pp.365-374, 1964
被引用文献数
17

日本列島の路上植生について, その種構成, 群落分類およびヨーロッパの路上植生との比較研究を行なった. さらに野外調査に際して可能な群落生地の比較と各群落の分布をしらべた.その結果以下の6群集が確認された.<br>1. クサイ-ハイミチヤナギ群集. 典型-およびニワホコリ亜群集に下位区分される (第1表). 分布: 北海道東部および南部, 本州北部.<br>2. コシカギク-ハイミチヤナギ群集. カモガヤ-,ニワホコリ-および典型 亜群集に下位区分される (第2表). 分布: 北海道および本州北部.<br>3. クサイ-カゼクサ群集. スズメノヒエ-, アキメヒシバ-および典型亜群集に下位区分される (第3表).分布: 本州, たとえば多摩川下流附近など.<br>4. カワラスゲ-クサイ群集. ミノボロスゲ-, アキメヒシバ-ならびに典型亜群集に下位区分される(第4表). 分布: 現在丹沢山塊, 箱根山などで知られている.<br>5. ニワホコリ-ミチヤナギ群集. ナガバグサ-, ギョウギシバ-および典型亜群集に下位区分される. 分布: 本州, 四国, 九州.<br>6. コバノニシキソウ-ネズミノオ群集. ハマスゲ-, コブナグサ-および典型亜群集に下位区分される.分布: 琉球列島.これらの群集はミチヤナギ群団およびコバノニシキソウ-ネズミノオ群団にまとめられる. 両群団は, 現在のところ東アジアの路上植生オーダー, オオバコオーダーにまとめられ, ヨーロッパのオーダー, Plannetea maioris Tx. 1950 に対応させられる. 両オーダーは, オオバコクラス Plantaginetea maioris Tx. et Prsg. 1950 に総括される.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 日本列島の路上植生(宮脇 昭),1964 https://t.co/7CEtxg1GeX 日本列島の路上植生について, その種構成, 群落分類およびヨーロッパの路上植生との比較研究を行なった. さらに野外調査に…

収集済み URL リスト