著者
佐々木 栄一
出版者
日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.847-849, 1969

シュウ酸カルシウムを硫酸で分解してシュウ酸と硫酸カルシウムを生成させる場合,生成したシュウ酸がさらに硫酸により分解を受け,ギ酸と炭酸ガス,さらに一酸化炭素,炭酸ガス,水に分解する可能性がある。<BR>著者はシュウ酸を種々の濃度および温度の硫酸中で加熱し,シュウ酸の分解量を測定した。この結果,分解条件60℃,80℃,90℃各1時間においてシュウ酸が分解を起こす硫酸の最低濃度はそれぞれ91%,84%,75%であると推定した。<BR>分解温度50~100℃,硫酸濃度60~100%の範囲においては,温度T(℃),硫酸濃度C(%),分解率F(%)との間には<BR>F=exp[-86.6+0.511C+0.996T-0.0095CT+0.00362C<SUP>2</SUP>]<BR>の関係式が近似的に成立つことを知った。

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