著者
沼間 雅之 宮崎 雅雄 梅原 健治 倉田 浩
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.173-177, 1997

食品製造工程上の汚れ (主に残留蛋白質) を検出する洗浄度判定キットを用い, 各種食品の検出感度, 牛乳濃度と大腸菌数の増殖経時変化を調べた.フキトリマスターを用いると牛乳ではおよそ80mg/m<SUP>2</SUP>, 脱脂粉乳では2mg/m<SUP>2</SUP>, 固形チキンコンソメでは20mg/m<SUP>2</SUP>, 卵白においては4.2mg/m<SUP>2</SUP>の汚れ量の検出が可能であった.これは目視観察できる汚れ量のおよそ1/3から1/400であった.分光光度計を併用すればさらに検出感度は向上することがわかった.一方, 大腸菌はわずかな栄養源の存在下でも増殖する可能性が示唆された.すなわち菌が増殖するレベルまで汚れの残存 (清浄度) を管理するためには, 目視観察による判定では管理不十分と考えられた.<BR>以上の成績から, 製造工程の自主衛生管理のための洗浄度モニタリグの極めて有効な手法の一つとして市販の洗浄度判定キット (フキトリマスター: コニカ) の使用を提案する.

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