著者
渡邉 治雄
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.107-113, 2016-09-30 (Released:2017-01-20)
参考文献数
4

近年,食中毒の報告件数が減ってきている.しかし,腸管出血性大腸菌やカンピロバクターを例にとると,現在のシステムで報告されている数が氷山の一角であることがわかる.実数を把握するサーベイランスシステムの再考が必要であろう.腸管出血性大腸菌感染症等に関して,食中毒を減らすための種々の対策がとられてきているが,その効果が一時的である場合がある.厚労省および農林省等の連携に基づく持続的効果が見られるような根本的対策に向けての対応が望まれる.
著者
上田 成子 小沼 博隆 品川 邦汎 桑原 祥浩
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.249-255, 1996-03-20 (Released:2010-07-12)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

国内外産の原料大豆と市販豆腐におけるB. thuringiensisの汚染状況を調査するとともに, 原料大豆から豆腐を試作し, その製造・保存過程でのB. thuringiensisの消長を検討した.その結果は以下の通りであった.1. B. cereus/thuringiensis菌数は国内外産の大豆とも, その多くが102cfu/g以下であり, 102cfu/g以上の菌数を有するものは外国産137検体のうち31%, 国内産43検体のうち14%であった.また, 豆腐試料については30検体のうち16%が102cfu/g以上の菌数を有していた.2. B. thuringiensisは180検体の大豆試料のうち39検体から検出され, 7, 5a5b, 3a3b3c, 11a11c, 22を含む14種の血清型が型別された.外国産大豆では137検体のうち29検体が7, 5a5b, 11a11c, 3a3b3c, 5a5cをはじめとする12種の血清型を有し, また国内産では43検体中10検体が22, 3a3b3c, 4a4d, 6a6c等の6種の血清型を有していた.3. 豆腐については3検体から, その浸漬水については2検体から, 血清型3a3b3cのみが検出された.4. 各試料から分離された各血清型のB. thuringiensis菌株の下痢毒および推定嘔吐毒産生能はいずれも弱かった.5. 原料大豆に下痢毒産生性のB. thuringiensis, Kurstaki (3a3b3c) の芽胞を接種して作製した豆腐には若干のB. thuringiensisが持ち込まれることを示した.また, この豆腐を種々温度下で保存した場合, 4℃では48時間までB. thuringiensisの増殖は認められず, 20℃では6時間までは増殖しなかったが, 24時間後には急速に増殖することを示した.また, 30℃で保存した場合には保存後から徐々に増殖し, 48時間後には108cfu/gを超え, 豆腐に下痢毒が確認された.
著者
鎌田 洋一
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.47-52, 2012-03-30 (Released:2012-08-23)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
鈴木 淳
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.64-67, 2010-07-31 (Released:2010-12-13)
参考文献数
11
著者
山本 徳栄
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-12, 2014-03-31 (Released:2014-08-13)
参考文献数
104
被引用文献数
1 1
著者
下島 優香子 井田 美樹 西野 由香里 石塚 理恵 黒田 寿美代 仲真 晶子 平井 昭彦 貞升 健志 甲斐 明美
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.209-214, 2015-12-30 (Released:2016-01-08)
参考文献数
28

2010~2013年に都内の食肉処理場および小売店で購入した牛内臓肉104検体について,糞便系大腸菌群,VTEC,C. jejuni,C. coli,SalmonellaおよびL. monocytogenesの調査を行った.その結果,糞便系大腸菌群は, 85検体(81.7%)が陽性であった.VTECは25検体(24.0%)から31株検出された.そのうち1検体は糞便系大腸菌群陰性であった.血清群O157は 17検体(18株),O26が1検体(1株),O103が1検体(1株),その他の血清群(O1,O28,O91,O153,OUT)が7検体(11株)から検出された.付着遺伝子保有状況を調べた結果,eaeは血清群O157,O26,O103の20株が陽性,saaは血清群O28,O153,OUTの5株が陽性であった.aggRはすべての株が陰性であった.C. jejuniは42検体(40.4%)から50株,C. coliは16検体(15.4%)から16株が検出された.Salmonellaは4検体(3.8%)から5株検出され,血清群はO4群が4株(いずれも血清型Derby),O3, 10群が1株(血清型Amsterdam)であった.L. monocytogenesは22検体(21.2%)が陽性であった.以上の結果から,牛内臓肉は腸管出血性大腸菌を含む食中毒菌に高率に汚染されていることが明らかとなった.
著者
石川 森夫
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.49-59, 2009-07-31 (Released:2009-08-27)
参考文献数
50
被引用文献数
2 1
著者
浅尾 努
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.83-88, 2013-06-30 (Released:2014-01-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
神吉 政史 石橋 正憲 依田 知子 塚本 定三
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.216-220, 2004-10-15 (Released:2010-07-12)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

赤身魚について生鮮魚20検体および加工品39検体を調査した結果, 好塩性ヒスタミン生成菌を生鮮魚7検体および加工品5検体から分離し, 腸内細菌科のヒスタミン生成菌を生鮮魚8検体および加工品13検体から分離した.マグロ10検体中6検体よりPhotobacterium phosphoreumを分離したが, その他の魚種では10検体中1検体からPhotobacterium damnselaeを分離したのみであった.腸内細菌科のヒスタミン生成菌については生鮮魚と加工品で検出率に差はなかった.しかし, その菌数は加工品2検体で104cfu/g以上となったのに対して, 生鮮魚では3.2×103cfu/gが最高であった.我々は今回の結果により, ヒスタミン食中毒の原因菌は生鮮魚では主にP.phosphoreumであり, 加工品では主に腸内細菌科の菌である可能性が高いと結論づけた.
著者
横山 博
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.100-103, 2013-06-30 (Released:2014-01-29)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2
著者
村上 和保 藤井 沙織 杉山 治代 多田 理恵 玉川 淳子
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.208-211, 2009-12-31 (Released:2010-07-15)
参考文献数
12
被引用文献数
1

手指衛生管理において,消毒が適正であるかどうかは非常に重要な事項である.本研究では,手洗い時のエタノール消毒効果をより確実に発現させる条件はいかなるものかを中心に検討した.石けんで手洗いを行い,ペーパータオルで水分をふき取った後には手洗い前に比べて手指の細菌数は減少したが,除菌効果は十分とはいえなかった.これにつづいてエタノール消毒(両手掌に噴霧し,擦り合わせながら乾燥)をした場合,80%, 99.5% エタノールでは十分な消毒効果がみられたが,70% では効果が発現しなかった.一方,手洗い後に手指を十分に風乾してエタノール消毒をすると,いずれの濃度でも十分な効果が認められた.そして,これらの条件での手洗い前後の手指水分量を調べてみると,手洗い後にペーパータオルでふき取った場合,手洗い前よりも水分量が依然として高かったのに対し,十分に風乾した場合,手洗い前とほぼ同等になった.以上から,エタノールによる手指消毒では手指を十分乾燥させることが極めて重要で,使用するエタノール濃度は 80% 以上が望ましい.
著者
小熊 恵二
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1-7, 2004-04-15 (Released:2010-07-12)
参考文献数
36
被引用文献数
1 2
著者
斎藤 章暢 徳丸 雅一 青木 敦子 安藤 佳代子 正木 宏幸 板屋 民子 丸山 務
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.29-33, 1994

<I>Listeria monocytogenes</I> (<I>L. m</I>. ) in shredded cheese was examined for its growth behavior during cold storage and cooking. During storage at 5°C, the concentration after inoculation decreased up to day 20 and thereafter increased. On day 77, the concentration was recovered to almost the same level as that at the time of inoculation, in shredded cheese inoculated with 10<SUP>4</SUP> or 10<SUP>6</SUP>/g <I>L.m</I>. and increased by 1-2 orders in shredded cheese inoculated with 10<SUP>1</SUP>/g <I>L .m</I>. . Also during storage at 10°, the inoculated <I>L.m</I>. decreased up to day 20 and thereafter increased, each bacterial concentration increased by 1-4 orders. Organoleptically, fungigenesis occurred from days 20 and 15 at 5° and 10°, respectively. The number of bacteria surviving in the pizza inoculated with 10<SUP>6</SUP>/g <I>L.m</I>. was 3.6-23/100 g after heating at 200°C for 5 min, while heating at 250°C for 5 min caused the death of all the inoculated bacteria, that is 10<SUP>6</SUP>/g. The change of the temperature at the center of the pizza while cooking tended to decrease with the increases in the temperature of storage and in the volume of ingredients, and these changes were also macroscopically recognizable.<BR>The above findings suggested that <I>L. m</I>. in shredded cheese dose not proliferate during the allowable period of storage before consumption and becomes extinct with general methods of cooking.