著者
國枝 秀世
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.925-932, 2001

「あすか」の一番大きな特徴は, 初めて10keVまでの撮像観測ができたことである.2-10keVのエネルギー帯域でこれまでの「ぎんが」に比べ2桁高い感度が実現され, 遠方の暗い銀河まで観測可能になった.高いエネルギーの観測では, 吸収体に隠された天体も検出でき, 近傍の銀河に潜む活動的銀河核も次々見つかった.「あすか」のもう一つの特徴は焦点面に置かれたCCDカメラによる分光である.スペクトルに見られる吸収構造, 輝線構造を分光することで, 大質量ブラックホールを持つ活動的銀河核近傍の, 強い重力場と強い放射場における物理現象が明らかにされた.この問題は, 最近観測を始めたChandra, Newtonの二大X線天文衛星でさらに大きく展開されようとしている.またもう一歩踏み込んだ研究にはAstro-E2の登場が待たれる.

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