著者
帆足 英一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.321-328, 1977

Idiopathic enuresis 10例について, Imipramine内服前後の終夜睡眠ポリグラフを比較検討した結果, 次の点が明らかとなった.<BR>1) 睡眠段階ではSREM, S4, S3+S4の減少とS2の増加をみとめた. (P<0.05)<BR>2) 元来不規則であった睡眠リズムには著変なく, 不規則さが続いている.<BR>3) 夜尿前の覚醒傾向が強まり, 夜尿時の睡眠深度も浅くなる傾向があり, 覚醒機構への作用が推定された.<BR>4) 脈拍, 呼吸, 筋電図, 皮膚電気反射などへの影響から, 自律機構への賦活作用が推定された.<BR>以上の現象から, Imipramineは夜尿症児にみられた睡眠中の生理的覚醒 (Physiologicalarousal) 現象を増強し, その結果夜尿は改善され, これらはImipramineの抗コリン作用が関与するものと推定された.

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