著者
帆足 英一
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:18847668)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.303-310, 1977

夜尿症の病態生理を明らかにする目的で, idiopathic enuresis 21例について終夜睡眠ポリグラフを第1夜に記録し, 分析をおこなった.<BR>1) 正常児と比較して, 睡眠段階の割り合いはSV, S1, S3の増加, SREM, S4の減少傾向がみられた.<BR>2) 夜尿時の睡眠段階は, 22回の夜尿のうちS2で12例 (54.5%) と多く, S3, SREMは各1例と少ない.<BR>3) 夜尿前後の睡眠段階の変化から, 覚醒機構の未熟性あるいは障害が推定された.<BR>4) REM睡眠とNREM睡眠の周期的変動の乱れがつよく, 入眠期の障害とREM睡眠の睡眠内周期の障害が推定された
著者
加藤 忠明 斉藤 幸子 庄司 順一 網野 武博 帆足 英一 恒次 欽也 帆足 暁子
出版者
日本小児保健協会
雑誌
小児保健研究 (ISSN:00374113)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.96-98, 1995-01-25
参考文献数
2
被引用文献数
2
著者
帆足 英一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.321-328, 1977

Idiopathic enuresis 10例について, Imipramine内服前後の終夜睡眠ポリグラフを比較検討した結果, 次の点が明らかとなった.<BR>1) 睡眠段階ではSREM, S4, S3+S4の減少とS2の増加をみとめた. (P<0.05)<BR>2) 元来不規則であった睡眠リズムには著変なく, 不規則さが続いている.<BR>3) 夜尿前の覚醒傾向が強まり, 夜尿時の睡眠深度も浅くなる傾向があり, 覚醒機構への作用が推定された.<BR>4) 脈拍, 呼吸, 筋電図, 皮膚電気反射などへの影響から, 自律機構への賦活作用が推定された.<BR>以上の現象から, Imipramineは夜尿症児にみられた睡眠中の生理的覚醒 (Physiologicalarousal) 現象を増強し, その結果夜尿は改善され, これらはImipramineの抗コリン作用が関与するものと推定された.
著者
帆足 英一
出版者
東京慈恵会医科大学
巻号頁・発行日
1977

博士論文
著者
堀田 秀樹 帆足 英一 奥山 裕子 熊谷 公明 遠藤 四郎
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.504-511, 1977

生後4ヵ月目に前屈発作が出現した点頭てんかん児にACTH療法, hydrocortisone療法, ケトン食療法を行なったが, 効果なく種々の発作型を推移し, 極度の精神運動発達遅延をきたした.われわれは本症例におけるACTH療法の適, 不適, 経過中みられた痙攣, その他の症状, 並びに治療に前後して行なった終夜睡眠ポリグラフィーにおける所見について検討した.その結果本症例における脳障害ぱ広範かつ重篶であり, その脳障害発現には点頭てんかん本来の脳障害に加えてホルモン剤などの影響もたぶんにあると思われた.
著者
帆足 英一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.303-310, 1977-07-01 (Released:2011-05-24)
参考文献数
21

夜尿症の病態生理を明らかにする目的で, idiopathic enuresis 21例について終夜睡眠ポリグラフを第1夜に記録し, 分析をおこなった.1) 正常児と比較して, 睡眠段階の割り合いはSV, S1, S3の増加, SREM, S4の減少傾向がみられた.2) 夜尿時の睡眠段階は, 22回の夜尿のうちS2で12例 (54.5%) と多く, S3, SREMは各1例と少ない.3) 夜尿前後の睡眠段階の変化から, 覚醒機構の未熟性あるいは障害が推定された.4) REM睡眠とNREM睡眠の周期的変動の乱れがつよく, 入眠期の障害とREM睡眠の睡眠内周期の障害が推定された