著者
宮内 靖史 加藤 貴雄 岩崎 雄樹 林 明聡 水野 杏一
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.210-215, 2008
被引用文献数
5

【目的】用手計測法および自動計測法によるQT間隔詳細計測の精度と問題点について検討する.【方法と結果】用手計測は, 25mm/sec, 1cm/mVで記録した通常の心電図波形を200%拡大コピーし盲検化した後, 心電図解析に熟達した循環器専門医3名が接線法を用いて行った.再現性の確認のため1週間の間隔をあけて計2回計測した.第1回目と第2回目の測定値の差は, 平均で-1~2msecとほとんどばらつきがなく, 両者の相関係数は0.96~0.97であったが, 心拍ごとの測定値の差の絶対値は, 5~7msecとやや大きかった, 一方, コンピュータ画面上でのマニュアル修正を併用した自動計測法では, 差の絶対値は1±2msecと用手計測法に比して有意に小さく, 相関係数も0.997と, 再現性に優れていた.各測定者の用手計測値と自動計測値の相関は0.94~0.96と高く, 平均値の差も-1~4msecと小さかった.【結論】マニユアル修正を併用したQT間隔の自動計測法の精度はきわめて高く, 正確性が期待できる, 一方で記録紙からの用手計測法も, 計測に熟達すれば5msec程度の精度での評価が可能である.

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