- 著者
-
小林 郁雄
- 出版者
- The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
- 雑誌
- 農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.12, pp.1201-1206,a1, 1996
地すべりは, 特定の地域および特定の地質条件のもとで発生すると言われ, その原因を地質や地下水などに求めることが多い。しかし, 地すべり面に直接作用し, 関与の程度が大きい特定の地質構造や地下水経路を実際に明らかにすることは容易ではなく, 設計の際には高度な判断を要する場合が多い。このため, 観測という確実性の高い手段による地すべりの監視や機構解明は, 対策設計の精度および信頼性向上に大きく貢献している。<BR>ここでは, 新潟県中頚城郡板倉町および妙高高原町地内にて実施中の直轄地すべり防止事業における事例をもとに, 観測手法の概要や課題を紹介する。