著者
松浦 邦昭 細野 隆次
出版者
The Japanese Nematological Society
雑誌
日本線虫研究会誌 (ISSN:03882357)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.17-22, 1987

1.<SUP>3</SUP>HラベルしたAChを用いる、JOHNSON & RUSSELLの方法はマツノザイセンチュウのAChE活性を高感度(測定可能な最低素酵素蛋白量で1.0μg)で測定できた。<BR>2.線虫体の磨砕物を素酵素液として、AChEの活性を検討したところ、至適pHは約7.0、至適温度は約35℃ であった。素酵素液を遠心分画した後に酵素活性を比較した結果、最大比活性は105,000×gで60分遠心後の沈澱部に認められた。25℃ における最大反応速度は8.7nmole・ACh/min/mg・蛋白、ミカエリス定数は6.25μMであった。<BR>3.AChEの素酵素液に対する各種薬剤の阻害作用を調べた。ダィスルフォトンを除く3種の有機りん剤の阻害活性はチオノ型よりオクソン型の方が100~300倍高かった。即ち、チオノ型のI<SUB>50</SUB>値は、フェンスルフォチオンで8.4×10<SUP>-5</SUP>M、チオナジンで3.4×10<SUP>-4</SUP>M、メスルフェンフォスで2.4×10<SUP>-4</SUP>M、ダイスルフォトンで2.8×10<SUP>-4</SUP>Mであったのに対して、オクソン型では、フェンスルフォチオンで4.8×10<SUP>-7</SUP>M、チオナジンで1.1×10<SUP>-6</SUP>M、メスルフェンフォスで2.0×10<SUP>-6</SUP>M、ダイスルフォトンで1.8×10<SUP>-4</SUP>Mであった。<BR>4.有機りん剤以外でもAChE阻害活性が認められ、I<SUB>50</SUB>はメソミルで6.0×10<SUP>-7</SUP>M、酒石酸モランテルで2.4×10<SUP>-6</SUP>M、塩酸レバミゾールで2.3×10<SUP>-5</SUP>Mであった。

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