- 著者
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櫻井 民人
榊原 充隆
- 出版者
- 北日本病害虫研究会
- 雑誌
- 北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
- 巻号頁・発行日
- vol.2008, no.59, pp.126-128, 2008
アカスジカスミカメ (以下アカスジ)の玄米吸汁による斑点米被害がここ数年増加していることから、その生物学的特性を解明することが緊急に求められている。本種の飼育方法としては、出穂したコムギを用いる方法、アワ幼苗を用いる方法、イネ科雑草の穂とコムギ幼苗を用いる方法がこれまでに提案されている。しかしながら、穂を用いる場合には長期栽培を要することや野外虫混入の危険性があること、アワ幼苗のみの飼育では得られる孵化幼虫数が少ないことなどの問題点がある。一方、アカヒゲホソミドリカスミカメ (以下アカヒゲ)では、コムギ幼苗のみで簡易に飼育が可能であること、幼苗に産み付けられた卵をまとめて低温保存することによって、その後の発育に大きな悪影響を及ぼすことなく、孵化日や羽化日を斉一化し、同日齢の成幼虫を同時に多数得られることが報告されている。アカスジでもコムギ幼苗のみで飼育可能であることが示唆されているものの、効率的に飼育するための詳細な条件については報告されていない。そこで、本研究では、アカスジ飼育法開発の一環として、孵化幼虫を同時に多数得るためにコムギ幼苗に産み付けられた卵を低温保存することが、その後の幼虫孵化に与える影響を調査した。