著者
中性紙技術 調査チーム
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.367-380, 2012

近年では,印刷用紙のほとんどが中性から弱塩基性で製造される中性紙となっており,酸性紙を探す方が難しくなりつつある。更には,毎朝目を通す新聞用紙でさえ中性紙化が進んでいる。1980年代は世界的に図書館での書籍の劣化が世間の注目を集め,日本においても印刷用紙は劣化の原因物質である硫酸根を最小限とする,保存性に優れた中性紙化への転換が望まれた時期でもあった。<BR>日本国内においても,既に特殊紙分野では中性抄紙は行われていたが,大量に生産される一般印刷用紙では中性抄紙化はまだ黎明期にあった。三菱製紙株式会社は中性紙を市場で最も早く開発した訳ではないが,取り組みを開始してから比較的早く,中川工場での上質紙に続き,八戸工場の塗工紙においても,工場全体での中性紙転換を果たすことができた。また,欧米とは目的を異にして,抄紙工程の中性抄紙化と,塗工工程の中性紙化を同時並行で進めてきた。<BR>中性紙への現場試験開始から約30年,中性紙転換から20年以上経過した事から,本報告では技術の継承・保存を目的に塗工紙をメインとした八戸工場における中性紙の開発について,前編・後編の2回に分けて当時の背景と技術の流れを纏めた。

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こんな論文どうですか? 八戸工場における塗工紙中性紙化の技術確立(後編)(中性紙技術 調査チーム),2012 https://t.co/NIBfmYGqBY 近年では,印刷用紙のほとんどが中性から弱塩基性で製造される中性紙となっており,酸性紙を探す…

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