- 著者
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久保 和彦
佐藤 方宣
小宗 静男
- 出版者
- JIBI TO RINSHO KAI
- 雑誌
- 耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.3, pp.122-127, 2013
メニエール病治療薬であるイソソルビドは、苦く特有な味であるために、服用に困難を極める弱点がある。これまで多様な方法が試みられたが、良好な服用法は確立されていない。その服用感を改善するため、健常人 33 名にイソソルビド+ある種の溶液の組み合わせ ( 1 : 1 混合) を 6 種類試飲してもらい、服用しやすさを 5 段階評価で検討した。原液の味に関しては苦味の評点が高かった。服用感については、原液の平均評点が 3.18 だったのに対し、オレンジジュースは 4.12、リンゴ酢は 3.12、炭酸水は 3.30、コカ・コーラ<sup>TM</sup> は 3.76、ポカリスエット<sup>TM</sup>は 3.61、緑茶は 2.82 と、オレンジジュース、コカ・コーラ<sup>TM</sup>、ポカリスエット<sup>TM</sup>は有意に服用しやすさを改善したが、緑茶は逆の傾向が見られた。患者がイソソルビドの服用しにくさを訴えた場合は、オレンジジュースかコカ・コーラ<sup>TM</sup>、ポカリスエット<sup>TM</sup>で倍量希釈することで服薬コンプライアンスを上げられる。