著者
菱田 一仁
出版者
The Japan Association of Sandplay Therapy
雑誌
箱庭療法学研究 (ISSN:09163662)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.51-61, 2012

人形はわれわれにとって身近なものであるが, 心理臨床においてもそれは例外ではない。遊戯療法や箱庭療法において人形は使用されるが, それらについて考察するうえで, そうした場で使われる人形のあり方について考察することが有用であると考えられる。人形という存在について考えるとき, 特徴的だと考えられるのが, 人形が人によって弄ばれるという点である。他と異なり人形は「私」という個人によって弄ばれ, それによって人形は「私」であって「私」でないという二重性を持った中間的な存在となると考えられる。そして, そうした中間的な存在として, かつて人形が人の思いや苦しみを託すヒトガタとして用いられたように, 現代の心理臨床の場面においても, そうした中間的な存在として「私」の想いや生きる苦しみを代わりに受ける存在として, 人形は存在していると考えられる。

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