著者
尾中 俊之
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2012

近年,局地的集中豪雨の多発や水資源の偏在化による旱魃など,地球温暖化に起因すると思われる異常気象災害が地球規模で年々深刻になりつつある.それらの対策としてクラウド・シーディングを用いた気象制御手法の研究が世界各地で行われている.ただし,降雨を促進させる人工降雨の研究はこれまで数多く実施されているが,豪雨抑制を目的とした研究はあまり行われていない.そこで本研究では,シーディングによる豪雨抑制効果を明らかにするため,複数の豪雨事例についてメソ気象数値モデルMM5を用いて実験的なシミュレーションを行った.また,シーディングを行うことによる積雲対流の変化のメカニズムについて詳しく解析し,主にシーディング高度と効果との関係に着目して,どのようなプロセスを経て豪雨抑制効果が得られるか検討した.複数の事例を比較・検討した結果,事例による傾向の違いはあるものの,対流性の雲が発達した事例においては比較的高高度のシーディングに対して高い抑制効果が表れたものが多く見られた.また,高度毎にシーディングを行うことで発生しやすい降水粒子に違いがあることが分かり,降水粒子の落下速度に依存して降水域の集中度が増減していることが分かった.<br>

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CiNii 論文 -  クラウド・シーディングを用いた集中豪雨の人為的抑制に関する数値実験 https://t.co/SfvLTg8awU #CiNii

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