著者
滝沢 靖臣
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.4, no.7, pp.279-285,270, 2004

近年, ポリフェノールの生理活性が注目されその合成と酸化反応が注目されている。カテキン, トコフェロール, ケルセチンは食品成分としても知られており抗酸化活性をはじめ抗癌作用でも知られている。これらのポリフェノールについて最近の合成と酸化について概説した。ルイス酸 (TiCl<SUB>4</SUB>, BF<SUB>3</SUB>, Et<SUB>2</SUB>0) またはTMSOTfを用いてカテキンの4位と8位での選択的C-Cカップリングにより二量体, 三量体, オリゴマーの合成がなされた。脂質酸化の条件下でカテキン, ケルセチンは酸化的に二量化等の化合物に変換された。トコフェロールは紫外線照射下での酸化により三量体が得られた。水酸基を有するトコフェロールの骨格にアセトキシ基を選択的に導入させることによりカテコール型トコフェロール化合物に変換した。いままでに得られているフェノール類の特性を用いた合成法と酸化反応を基礎にしてより効率的な機能性フェノール類の化学の構築が期待される。

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