著者
赤石(喜多) 記子 長尾 慶子
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.351-358, 2010

栄養成分が豊富でアレルギーを起こしにくいと言われているスペルト小麦を用いて加熱操作の異なるパンを調製し,外観,物性,機能性面から比較検討した。ベーグルパンは茹で操作中にドウ内部が予備加熱される為,パンの膨化は他の加熱法に比べて最大となった。パンの色調は乾式加熱でメイラード反応によりa*値,b*値の上昇とL*値の低下がみられた。破断試験の結果,パン内層部の破断エネルギーは天火加熱と電子レンジ加熱で高値となり,ベーグル加熱,揚げ加熱,蒸し加熱で低値となった。クラスト及びクラムの水分の存在が力学特性に強く関与していることが推察された。普通小麦パンでは生ドウを加熱することで,抗酸化性が損失するのに対し,スペルト小麦パンでは低下せずに安定性が高いことが認められた。SDS-PAGE結果より,スペルト小麦パンと普通小麦パンでは分子量50 kDa及び37 kDa付近に差異が見られ,10~15 kDa付近のバンドは長時間加熱の天火加熱及び蒸し加熱法で消失することが確認された。

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