- 著者
-
宮原 志津子
- 出版者
- 国立研究開発法人 科学技術振興機構
- 雑誌
- 情報管理 (ISSN:00217298)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.7, pp.457-467, 2014
本稿では,シンガポール国立図書館庁(NLB)による図書館情報政策Libraries for Life(Library 2020)と,シンガポールの公共図書館が目指す次の時代の図書館のあり方について検討を行った。シンガポールではこれまでに,2つの図書館情報政策が策定されている。最初のLibrary 2000(1994年)では公共図書館インフラの整備が主に行われ,次のLibrary 2010(2005年)では,電子図書館やインターネットサービスの推進が積極的に行われた。2011年に発表されたLibrary 2020では,図書館のもっとも基本的なサービスである読書を推進するプログラムに焦点が絞られている。これからの時代を担う公共図書館の役割は,多様な背景をもつシンガポール人のコミュニティーをつなぐ場所であり,図書館にはシンガポール文化を掘り起こし,さらに新たに創出する期待が込められているのである。