著者
岩垂 純一
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.939-947, 2014
被引用文献数
1

肛門科として単独での診療科名での広告が不可能となっている現在,新しい専門医制度において肛門科専門医が認定されるのは極めて厳しい状況にある.公的に近い総合病院の中の肛門病に特化したセンター(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター)で研修を受け,スタッフとして勤務した経験から,肛門病は決して外科の中の一小分野ではなく独自性のある分野を形成しているといえる.診察に際しては羞恥,恐怖などの患者心理の理解が必要とされ,治療に際しては単に治せばよいのではなく,後障害を生じないように機能的に問題なく,如何に,きれいに,痛くなく早く治すかが問われる.そのためには多数の症例経験が必要となり,また消化器の1部という観点から大腸疾患の症例経験も必要となる.肛門科の専門性がなくなる結果,診療レベルが低下し合併症や後障害により患者を苦しめるようなことがあってはならない.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 3 favorites)

収集済み URL リスト