- 著者
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谷口 尚
隅田 由香
- 出版者
- 公益社団法人 日本補綴歯科学会
- 雑誌
- 日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.4, pp.333-342, 2014
- 被引用文献数
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顎補綴とは,先天奇形,腫瘍,外傷,嚢胞,炎症などを原疾患とし,外科的切除などにより顎口腔領域に後遺した顎骨・舌などの欠損を対象に,補綴装置を用いて修復し,失われた咀嚼・嚥下,発音,審美性などの機能を原状回復することである.こうした顎補綴症例では機能障害が一般補綴症例に比べ重篤で,精神・心理的苦痛をも惹起する.顎補綴によって目指す機能回復のうち,構音障害や発声障害といった音声障害に対する機能回復は,患者が社会とのコミュニケーション手段である「Speech」を円滑に保持するための要件である.本稿では顎補綴と「Speech」評価について述べる.