著者
古賀 裕之 谷口 忠大
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.144-156, 2014

本稿では話し合いにおいて,参加者の自由な発話タイミングを阻害することなく,均等な発話を促すことのできるコミュニケーション場のメカニズムとして発話権取引を提案する.発話権取引では参加者に等しい数の発話権が与えられ,これを自由に行使することで参加者は話し合いに参画することができ,また,発話権は自由に融通しあう事ができる.このメカニズムの特徴を実験に基づいて検討した.また,経済学的な考察を与えた上で,付加的な要素として発話振興券を導入し,その導入効果を実験に基づき評価した.発話権取引は,話し合いにおいて誰かが司会を行う負担を減らし,また,意思表示や理由に関する発言数を増やすことが分かった.

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