- 著者
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坂巻 英一
亀井 悦子
- 出版者
- Japan Industrial Management Association
- 雑誌
- 日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.1, pp.39-50, 2014
2011年3月11日に発生した東日本大震災では,停電により通信手段が途絶する中,Twitterを始めとしたSNSが情報伝達手段として力を発揮した.Twitter上では,どこで誰が助けを求めているのか,今,何が不足しているのか,といった情報が被災地から次々に発信され,こうした情報を基に行政や自治体は,被災地で起きていることをリアルタイムに把握することができた.一方で,Twitter上には嘘やデマ情報も多く,情報の解読の多くは手作業により行われた.そのため,状況の把握に手間や時間が掛かる,といった課題も指摘されていた.本研究ではInformation Valueや単純ベイズ分類器を用いて,つぶやきデータを分析し,つぶやきの中から震災と関連のあるキーワードを機械的に抽出する手法について提案する.そして,キーワードを基に被災地の現状をリアルタイムに把握することが可能であることを示す.併せて,本研究で使用する単純ベイズ分類器と古典的な分類アルゴリズムであるSVMを比較することにより,つぶやきの分類においては,単純ベイズ分類器はSVMと同程度の分類能力があることを検証実験により実証する.