著者
塩釜 裕子 宮本 正
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.287-295, 2014
被引用文献数
2

<b>【目的】</b>色覚補正眼鏡の一種であるカラービューに対する有効性を検討すること。<br><b>【対象と方法】</b>カラービューを用いて以下の四項目について検討した。①石原色覚検査表の誤読数及び、パネルD-15の横断線が減少するか。②20色の色の名前を正しく答えられるようになるか。③日本眼科学会ホームページに記してある、先天赤緑色覚異常が見分けにくい色の組み合わせの各二色(8種類、合計16色)が見分けやすくなるか。④「先天色覚異常の方のための色の確認表」を用いて複数の色から色名を用いて特定の色を選択できるようになるか。これらは1型2色覚、1型3色覚、2型2色覚、2型3色覚、各1名、合計4名の色覚異常者の協力を得て行った。<br><b>【結果】</b>カラービューの使用によって結果は以下のようになった。①石原色覚検査表の誤読数とパネルD-15の横断線は減少した。②色名を正しく認識できるようにはならず、逆に色名がわかりにくくなる場合もあった。③検討した二色の多くが見分けやすくなった。④色名を用いて特定の色を選択することはできなかった。<br><b>【結論】</b>色覚補正眼鏡カラービューでは正常色覚者と全く同じ色の認識を得ることはできない。特に色の名称を正しく認識するのは不可能である。また、使用することによって逆に色を混同する場合もあった。だが、特定の二色間の識別に関しては有効であった。

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色覚サポートメガネ系の話は、メリットを語ると同時にデメリットもちゃんと語ってほしいと思う。これは眼科の先生たちと意見が一致する部分。識別がしやすくなる部分がある半面、逆にこれまで識別できていたところが見分けにくくなることがある。それは原理的にそうなので。https://t.co/FMz70EscxK https://t.co/8lIFDYJOKl
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