- 著者
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能川 知昭
根本 幸児
長谷川 雄央
- 出版者
- 日本神経回路学会
- 雑誌
- 日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.4, pp.182-189, 2014
複雑ネットワーク上の協力現象はユークリッド格子上のそれとは本質的に異なる場合があることが,近年明らかになってきた.本稿ではスモールワールド性を持つネットワークでしばしば観測される臨界相に注目する.臨界相とは,2次相転移の臨界点が有限のパラメータ領域に広がったようなものである.このことからスモールワールドネットワークは臨界的な状態を,パラメータ変化に対してロバストにする構造を持っていると考えられる.本稿ではいくつかの代表的なネットワークのボンドパーコレーションについて,それぞれの相図と基本的な性質を概観し,ネットワーク構造と臨界性の関係を考察する.