著者
池上 知子
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.133-146, 2014
被引用文献数
6

社会から差別をなくそうという長年の取り組みにもかかわらず, 現代においても依然として差別に苦しむ人たちは存在する。本稿では, この問題にかかわる社会心理学の理論や研究パラダイムの変遷を追いながら, なぜ事態が改善しないのかを考察する。その一つの理由として, 差別的行動や偏見に基づく思考は, 人間が環境への適応のために獲得した正常な心理機能に根ざしていること, その機能はわれわれの意識を超えた形で働くため, これを統制することがきわめて困難である点を指摘する。そして, それにもかかわらず, 社会心理学はそれらを意識的に制御することを推奨してきたことが, 問題をさらに複雑にする結果となっていることを議論する。最後に, 最近, われわれに楽観的見通しを与えてくれる新しい観点が登場してきたことに言及する。それらは, 伝統的接触仮説を発展させた研究と潜在認知の変容可能性を検討している研究の成果に基づいている。本稿では, これらの新しい方向性についても考察する。

言及状況

外部データベース (DOI)

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@nakak0 これは読んだ! この話では必読 大阪府立大学の池上知子さん https://t.co/AyKzHQcKvX
CiNii 論文 -  差別・偏見研究の変遷と新たな展開:—悲観論から楽観論へ— https://t.co/ZL5kSOio3v #CiNii
ネットで見れる資料をつけておきます。 arsvi . com内の「差別」の項目 https://t.co/Ww3q2NkIht 社会心理学系の差別研究の代表的な研究をまとめた 池上知子. (2014). 差別・偏見研究の変遷と新たな展開. 教育心理学年報, 53, 133-146. https://t.co/pPP0Wq43AS
原稿を書くにあたり、改めて大阪市立大学の池上知子さんの「差別・偏見研究の変遷と新たな展開:—悲観論から楽観論へ—」を読み返した。差別とは何なのか?そして、その脱却に有効な方法は?示唆に富む論文だと思う。障害福祉に関わる人は必読だと思っている。 https://t.co/AyKzHQcKvX
障害者差別の解消に取り組んでいる人に是非読んで欲しい論文。差別についての社会心理学から考察。いろいろな場面で引用させて貰い、学びに活用している。 CiNii 論文 -  差別・偏見研究の変遷と新たな展開:—悲観論から楽観論へ— https://t.co/AyKzHQcKvX
@tomatomatomu @ameba_official 関連ある感じのレポート https://t.co/AyKzHQcKvX

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